おしえてセンセイ・センパイ!

進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ1 業界で活躍中のセンパイにきく

Part.7

アコガレ★JOBインタビュー season 1
Part.7 建設業界

建築士

コネクト一級建築士事務所
Partner Architect
標 由理(しめぎ・ゆり)さん
※組織名称、施策、役職名などは取材当時のものです
公開:
 更新:

世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。

都市空間のデザインから美術館や二世帯住宅まで
幅広い設計を手がけている標 由理さん

新しい空間を立ち上げるために、
人生をひも解く

新築する住宅や店舗の設計をはじめ、既存の建物をライフスタイルや業態に合わせた内外装に刷新する「リノベーション」などをお引き受けしています。

新築にイチから取り組ませていただく場合、完成した物件をクライアントにお引渡しするまでにかかる期間は、だいたい1年くらいです。

まずはクライアントと「設計相談」をさせていただきますが、最初から間取りの希望を伺うことはしません。たとえば住宅なら、どんな食べ物が好きか、ご家族そろって3食とるか、趣味や将来の夢は……など、ご家族の生活をひも解くようなヒアリングをします。

これまでの生活や、これから求める過ごし方について伺うことは、新しい空間を立ち上げるための大切な手がかりです。

図案と模型を3案ほどご提案し、方向性が決まれば工事をスタートします。建築士の仕事でもっとも時間を費やすのが、実は工事現場での監理です。構造に問題がないか確認し、予定通りにいかない部分が出てきた場合はクライアントとご相談の上、図面を描き直していきます。

建築現場での状況やクライアントの要望に応じて
設計図面を描き直すことも

すべてをプロデュースし、
完成後も見守り続ける

建築士の仕事は、図面を描くだけのように思われることもありますが、実際には常にクライアント側に立って、設計から完成まですべてに責任を持ってプロデュースをしています。

また、ハウスメーカーさんがある程度決まった型の中で建築するのに対し、個人事務所はクライアントオリジナルの住まいづくりを提案できることが強みです。私は、クライアントの生活の中でしか生まれてこない空間やストーリーに、形を与えられることに喜びを感じています。常にクライアントに向き合い、ほかのどこにもないものをお引渡しすることにこだわりを持っています。

完成した後も点検を行うので、クライアントの生活を長く見守ることになりますね。いろいろな方の人生を時々垣間見させていただくことは、まるで物語を読むかのようです。

建築士は、ものづくりや時代の流行を追う楽しみがあるだけなく、人との出会いも楽しめます。多面的な魅力のある、とてもぜいたくな仕事ですね。

個人事務所だからこそ、常にクライアントに向きあい
こだわりあるオリジナルな住まいづくりを提案できる

こんな人に向いている!

総合プロデューサーのような仕事なので、いろいろなものをまとめあげて創造することの好きな人に向いていると思います。一方で、建築を学べば、ハウスメーカーでも、個人建築事務所でも、さまざまな働き方を選択することができます。自分の人生をデザインしやすい仕事といえますね。

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