そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

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夏休みのひととき
~夏を楽しめない子どもたちのために~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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もうすぐ夏休みです。友だちと出かけたり、家族旅行の計画が輪郭を帯びてきているころではないでしょうか。時間の多くを受験勉強に使うひとも、部活動でほぼ埋まるというひともいると思います。どちらにしても学校から離れた時間をいかに使うかを考えるのは楽しいのではないでしょうか。

そんな夏休みを心待ちにしているひとがいる一方、長期休暇を楽しみに待つことが難しいひともいます。最近では「子どもの貧困」という言葉もよく知られるようになりましたが、ご両親が子どもと一緒の時期にお休みを取ることが難しいこともあれば、資金的に余裕のないご家庭もあります。

もちろん、夏を楽しむのに時間やお金が必ずしも必要というわけではありません。しかしながら、どこにもいかないことや、何か特別なことを“あえて”しない選択肢があるひとばかりではないということに想像力をはたらかせるのは大切です。

学校に通っていれば給食が出てきますが、夏休みはそれがありません。毎日、約束をしなくても友達やクラスメートと出会えるわけでもありません。そんな環境下にあれば、友人の夏休みを楽しみに待つ話を聞くことも、ちょっとしんどいかもしれません。

6月の一か月間を使い、子どもたちに宿泊型キャンプの機会を提供したいと考えました。20人、30人の子どもたちがキャンプをするには相応のお金がかかります。お金がないから行けないではなく、お金があってもなくても、キャンプに行くことも行かないことも“選択できる”ようにしたい。そういう想いを広く社会に発信して寄付を募りました。

“夏休みを楽しめない子どもたち”にとびきりの田舎体験を届けたい!
- CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

みなさんは夏休みを楽しみにできない子どもたちについてどう思われますか。彼ら、彼女らのために大切なお金を投じてくれるひと、大人はいると思いますか。上記サイトを見てください。なんと一か月間で100名以上のひとたちが応援してくれました。応援者一人ひとりのコメントも読むことができます。

私にとって夏休みは楽しみなものでした。そしていまの仕事を通じて、夏休みを待ち遠しいと思えない子どもたちがたくさんいることを知りました。そして、少しでも“みんなで”子どもたちのためにできることをやりましょう、との呼びかけにこんなにも多くのひとが協力をしてくれています。

「夏を目いっぱい遊んでほしい」という大人からのメッセージを受け、十分ではないかもしれませんが、少しでも「楽しい夏休みだった!」と感じる子どもが、いつか大人になったとき、さまざまな形で子どもたちを応援するような恩送りある社会になればと願っています。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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