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夏休みのひととき
~夏を楽しめない子どもたちのために~


工藤 啓
更新:2017/07/10

もうすぐ夏休みです。友だちと出かけたり、家族旅行の計画が輪郭を帯びてきているころではないでしょうか。時間の多くを受験勉強に使うひとも、部活動でほぼ埋まるというひともいると思います。どちらにしても学校から離れた時間をいかに使うかを考えるのは楽しいのではないでしょうか。

そんな夏休みを心待ちにしているひとがいる一方、長期休暇を楽しみに待つことが難しいひともいます。最近では「子どもの貧困」という言葉もよく知られるようになりましたが、ご両親が子どもと一緒の時期にお休みを取ることが難しいこともあれば、資金的に余裕のないご家庭もあります。

もちろん、夏を楽しむのに時間やお金が必ずしも必要というわけではありません。しかしながら、どこにもいかないことや、何か特別なことを“あえて”しない選択肢があるひとばかりではないということに想像力をはたらかせるのは大切です。

学校に通っていれば給食が出てきますが、夏休みはそれがありません。毎日、約束をしなくても友達やクラスメートと出会えるわけでもありません。そんな環境下にあれば、友人の夏休みを楽しみに待つ話を聞くことも、ちょっとしんどいかもしれません。

6月の一か月間を使い、子どもたちに宿泊型キャンプの機会を提供したいと考えました。20人、30人の子どもたちがキャンプをするには相応のお金がかかります。お金がないから行けないではなく、お金があってもなくても、キャンプに行くことも行かないことも“選択できる”ようにしたい。そういう想いを広く社会に発信して寄付を募りました。

“夏休みを楽しめない子どもたち”にとびきりの田舎体験を届けたい!
− CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/30647

みなさんは夏休みを楽しみにできない子どもたちについてどう思われますか。彼ら、彼女らのために大切なお金を投じてくれるひと、大人はいると思いますか。上記サイトを見てください。なんと一か月間で100名以上のひとたちが応援してくれました。応援者一人ひとりのコメントも読むことができます。

私にとって夏休みは楽しみなものでした。そしていまの仕事を通じて、夏休みを待ち遠しいと思えない子どもたちがたくさんいることを知りました。そして、少しでも“みんなで”子どもたちのためにできることをやりましょう、との呼びかけにこんなにも多くのひとが協力をしてくれています。

「夏を目いっぱい遊んでほしい」という大人からのメッセージを受け、十分ではないかもしれませんが、少しでも「楽しい夏休みだった!」と感じる子どもが、いつか大人になったとき、さまざまな形で子どもたちを応援するような恩送りある社会になればと願っています。

■ “夏休みを楽しめない子どもたち”にとびきりの田舎体験を届けたい!
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

工藤 啓
くどう けい

特定非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長。1977年6月2日東京生まれ。大学中退後渡米。帰国後、ひきこもり、ニート、フリーター等の就労支援団体「育て上げ」ネット設立。2004年5月NPO法人化、現在に至る。
2005年…内閣府「若者の包括的な自立支援方策に関する検討会」委員/厚生労働省「キャリア・コンサルティング導入・展開事例検討委員会」委員/文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員/埼玉県「ニート対策検討委員会」委員/福島県「若者としごと」研究会アドバイザー/立川市教育委員会立川市学校評議員
著書「大卒だって無職になる」(エンターブレイン)、「ニート支援マニュアル」(PHP研究所)ほか

NPO法人「育て上げ」ネット
Lineup

【2015年 掲載】
84 親とのコミュニケーション~76

【2014年 掲載】
75 もし自分だったらどうする?~67

【2013年 掲載】
66 一声かける勇気~60

【2012年 掲載】
59 進学と奨学金~53

【2011年 掲載】
52 非日常下の成長~46

【2010年 掲載】
45 卒後生活への不安~37

【2009年 掲載】
36 仕事につながるナナメの関係~28

【2008年 掲載】
27 学校を辞めるということ~19

【2007年 掲載】
18 仕事を変えるとき~9

【2006年 掲載】
8 感情と積極性~1