そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

107-2

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周りにいない同級生
~朝起きることがなかなかできないだけ~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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「起立性調整障害」という言葉をご存知でしょうか。恥ずかしながら、聞いたことがあるくらいで、私は詳しく知りませんでした。高校生に新品のパソコンと夏休みのプログラミンキャンプを贈る「TECH募金プロジェクト」の応募者から、この言葉が複数表記されていました。

起立性調整障害とは

「たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つ」
(引用:日本小児心身医学会)

だそうです。

特別なものであるのかと言えばそんなことはなく、上記サイトによると小学生の5%、中学生の10%で、不登校児童だと30~40%が併存しているそうです。

TECH募金の応募者の中には、登校しようと思っても朝起きることができず、それに対して「怠けている」「やる気がない」といった判断を下され、学校に行けなくなってしまったという声が寄せられました。

病気でも障がいでも、ひとは「見える」ものに対しては理解が進みますが、「見えないもの」や「見えづらいもの」に想像力を使う前に判断を下してしまいがちです。

もし、毎日登校することができない理由が何かの病気のためなら、「それは仕方がないよね、お大事に」と暖かな言葉をかけてあげられるかもしれません。しかし、本人ですら理由がわからなかったり、病気であることを言いづらかったりする状況にあるかもしれません。

私は、少なくない高校生の応募申請書に起立性調整障害という言葉があることで、自分なりに調べてみました。医学的な知識がないのでどこまで理解ができているかはわかりません。

しかし、これから「朝、なかなか起きることができない」というひとに出会ったときには、もしかしたら何か彼または彼女の起床を妨げる病気や環境などがあるのかもしれないということを、いままで以上に気を付けて考えるようにしようと思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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