第8回 Part.1

食品のおいしさや健康効果を探る(1)


実践女子大学 生活科学部
田島 眞 研究室
※部署名、役職名、研究内容などは取材当時のものです
更新::2007/12/17

食への関心は年々高まる一方だ。とくに最近は、よりおいしく食べることや、食を通じての健康づくりなどが注目されている。では、学問の場では食について、どのような研究が行われているのだろうか。

今回は、食品学の立場から食にかかわるテーマを研究している、実践女子大学生活科学部の田島眞教授(学部長)の研究室を訪ねた。

米のおいしさの決め手は
酵素でできるオリゴ糖

田島先生の研究室では、さまざまな食品のうち食生活の柱になる米、野菜、肉を対象にして研究を進めている。米についてはおいしさ、野菜と肉については健康効果が大きなテーマだという。そこで、まず米のおいしさの研究から教えていただくことにした。田島先生によると、米のおいしさのヒミツは「オリゴ糖」にあるそうだ。

「食品を何人かで食べて、点数をつけて評定する感応検査という手法があるのですが、その感応検査で点数が高かった米、つまり、おいしいと感じた米を調べてみると、オリゴ糖が多いことがわかりました。そこで、オリゴ糖に着目して、いろいろな角度から研究を進めたのです。

研究を通じて、オリゴ糖はもともと米粒に含まれているものよりも、炊飯の過程でできるもののほうが多いことがわかりました。そこで、オリゴ糖がどのようなメカニズムでできるのかを探りました。その結果、オリゴ糖はアミラーゼという酵素によってつくられることを突きとめたのです」

当時は、デンプンの研究者などから、酵素は生デンプンには働かない、生デンプンからオリゴ糖ができるのはおかしい、と指摘されることが多かったそうだ。しかし、田島先生はアミラーゼの働きでオリゴ糖ができることを実証した。

また、オリゴ糖は通常、味がないとされている。そういうオリゴ糖が米のおいしさに関係しているのか、という指摘もあった。これについても、米のおいしさに関係があることを実験で明らかにしている。

「オリゴ糖を米に添加して炊くと、感応検査の評定が上がります。つまり、おいしいと感じるわけです。たしかに、オリゴ糖自体にはほとんど味がありませんが、オリゴ糖が加わることによって、米に含まれるブドウ糖の甘さと相乗効果が出て、おいしく感じるのです」

《つづく》

●次回は「オリゴ糖の生成量が多いコシヒカリ系の米」です。

■実践女子大学

▲田島 眞 教授(学部長)

 

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