第10回 vol.2

薬業科〔2年制〕
(後編)


東京医薬専門学校
(東京都江戸川区)
※学科・コース名称、カリキュラム、役職名などは取材当時のものです
更新:2008/07/14
東京医薬専門学校(江戸川区)の「薬業科」を訪ね、持田和夫先生に話しを聞いています。前編では薬に関する新しい資格「登録販売者」取得方法について、同校のカリキュラムを紹介しました。引き続き、持田先生に聞きました。

今後さらなる人材需要が見込まれる薬業界

——地域性や男女比ほか、入学者に何らかの傾向はありますか。

かつては薬店の後継者が少なくありませんでしたが、いまではそういった傾向はほとんど見られません。入学者の出身地も北海道から沖縄まで、実にさまざまです。

男女比は、例年、女子の割合が上回っていますが、近年では男子の入学者が増える傾向にあり、現状では男子3に女子7といった割合でしょうか。

——卒業者に対する企業ニーズはいかがでしょう。

両専攻とも、毎年、卒業年次生の数をはるかに上回る求人が寄せられます。大学を卒業してもフリーターになったり、派遣労働にしか就けなかったりする雇用情勢が問題視されていますが、医薬品販売業についていうなら、せっかくの求人に応えられない現状をもったいなく感じるくらいです。若い人に、もっとこの業界に関心をもってもらえればと思っています。

特に登録販売者に対する需要は今後ますます増えることが予測されます。この資格の取得者がいれば、薬店に限らず、たとえばコンビニエンスストアなどの小売店でも、第2種以下の医薬品の販売ができるようになるわけですからね。

——漢方の授業もあるのですね。

本校の前身である東京薬学専門学院は、「漢方に強い薬業人の育成」を目的に1979年に開校した、「薬」教育で歴史ある学校です。その伝統がいまに受け継がれているわけです。漢方は比較的副作用が少なく、健康増進や予防医療の観点からも注目されるお薬です。一般用医薬品に加えて、漢方の知識が学べるカリキュラムは、東京医薬の強味といえるのではないでしょうか。

また、ドラッグストア専攻では手話の授業も用意していて、卒業生や受け入れ先の企業から喜ばれています。店舗を訪ねてくる方の中には、当然、耳の不自由な方もいるわけです。

もちろん、わずか2年間の一授業科目にすぎないので、それほど高度な手話までマスターできるわけではありませんが、簡単な挨拶ができるだけでも、お客様には親しみや安心を与えることができる。そういった現場での触れ合いを通じて、接客に喜びを感じ、もっと高度な手話をマスターしようという意欲に結びつけば、うれしいですね。

Reporter's NOTE(薬業科)

かつてはどの街でも見かけた個人経営の街の薬屋さんが姿を消し、代わって大手企業がチェーン展開するドラッグストアを、繁華街や幹線道路沿いに見かけるようになりました。

日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が行った「2007年度全国ドラッグストア実態調査」によると、その店舗数は1万5,384店、売上高は4兆9,674億円にも上り、2000年度の調査開始から増加を繰り返しています。将来的には3万店舗を擁する10兆円産業になるとの予測も聞かれます。薬種商から登録販売者への資格の移行は、こういった時代の流れに合わせた対応に違いありません。

原則1年間の実務経験を必要とする登録販売者の受験資格ですが、東京医薬専門学校薬業科のドラッグストア専攻が、日本版デュアルシステムの導入によって在学中の受験を可能にしたことは本文にある通りです。

学生は2年生になると、週に3日、協力企業の店舗で報酬を得ながら就業。これ以上ないリアルな現場体験を授業の一環とすることで、実務経験と修学時間の両方をクリアしました。職業訓練を使命とする専門学校ならではのシステムといえるでしょう。

登録販売者試験では、「医薬品に共通する特性と基本的な知識」「人体の働きと医薬品」「主な医薬品とその作用」「薬事関連法規・制度」「医薬品の適性使用・安全対策」が問われます。試験開始は2008年の8月以降。果たして全体の合格率はどれくらいで、一般受験者と専門教育を受けた者の差はどれくらい開くのでしょうか。試験内容を見る限り、どこかで集中して学ぶ必要がありそうです。いずれ、登録販売者の多くを、専門学校出身者が占めるようになるのかもしれません。

■東京医薬専門学校

▲持田 和夫先生

 

▲調剤室を模した実習室

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