若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー
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頑張る気持ちが湧いてきた、
ある方からのメッセージ
山﨑 梓(やまざき・あずさ)
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どの世界にも言葉を扱うのがうまい人がいますよね。私はどこかそういう人と出会いたくて本やマンガ、映画⋯といろいろなエンタメを探し求めている節がありますが、そんな人たちの魅力は端的に表現できる言葉を紡げることだと思います。
先日、ある事業のクラウドファンディングを行っていました。それ自体はとても好評で100名以上の方からご支援をいただき、寄付担当者としては胸をなでおろす気持ちですが、寄付者の方のコメントのひとつに「世界の下支えになる前向きな企画をいつもありがとうございます」という言葉がありました。
そのクラウドファンディングのテーマには割と自信があり、きっとこれだったらご支援をいただけるのではないかと勝算めいたものはあったのですが、なぜそんな自信が湧いているのかは実はあまり言語化できていませんでした。そんななかで前述のコメントは、端的にこの活動の根底にある私たちの想いをまとめていただいたような感覚を覚えました。
第三者の視点から語ってもらうことは支援的にも大事です。コミュニケーション講座では「他己評価」はいわゆる鉄板のコンテンツのひとつでもありますが、他者から言われて初めて自分の個性に気づいたということもあるし、周りから言われるから自信になったとポジティブなリアクションが多いように思います。
最近は自信を持つのも難しい世の中だと思います。インターネットがあればどんなジャンルでも膨大な情報に触れられてたくさんの比較対象ができるようになって、自分よりも秀でている人たちが無数にあふれているのを実感させられます。SNSではかんたんに「いいね」とつけられるようになった分、「いいね」がつかなかったときの侘しさも一層大きくなります。未熟な自分を自覚してしまって、気持ちを保つのは大変だと思います。
大学受験をしていたとき、「モチベーションは内側から湧き出るものではなく、外からの影響を受けて出てくるものだ」という話を聞いて、それ以来、私はその考え方を大切にしています。頑張る力やチャレンジ精神は放っておけば自然に内側から生まれてくるものではなく、外からの支援があるからこそ、成熟し、原動力になるのです。
そういう意味でこの寄付者さんからいただいたメッセージは、私にとってはとても大切なものになりました。なぜこの活動に支援者を募ろうと思ったのか。その根拠はなんだったのだろうかとモヤモヤが残っていましたが、募集期間最後までこの活動を知ってもらえるように頑張ろうと思えるようになりました。
言語化を助けてくれる人がいると前に進みやすくなる。若者支援の場はそんな力にもなりますので、ちょっと頭の整理にでも、ぜひ立ち寄ってみていただきたいと思います。
認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか
認定特定非営利活動法人
育て上げネット 事務局次長
山﨑 梓
1990年生まれ。2010年から学生ボランティア団体で災害救援活動や地域貢献活動に参加。卒業後に育て上げネットに入職。ユースコーディネーターとして支援に関わりながら調査・研究を行い、広報担当マネージャーを経て、現在、事務局次長。行政・自治体の若年無業者向けの支援に関わる技術審査員等歴任。共著に『若年無業者白書2014-2015』(バリューブックス)


