そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー

18-1

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仕事を変えるとき
~前編~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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先日、留学時代の仲間と忘年会をしました。20歳前後だった仲間もいまは30代前後となり、さまざまな人生を歩んでいました。アメリカ生活の右も左もわからないなか、助け合いながら楽しく学生生活を送っていたころを懐かしみつつ、近況報告に花が咲きました。結婚した者、子どもがいる者、自ら事業を起こした者など、同じ環境で生活した者同士とは思えないほど、いまの生活がバラバラであったことには驚きましたが、もっと驚いたのは、ほぼ全員が転職経験を持っていたことです。

1つの会社に終生所属し続けることが当たり前だった時代とは違い、転職することが別段不思議なものではなくなりましたが、忘年会で集まった仲間の大半が会社を複数回変えていたのは、転職経験のない私には新鮮でもありました。日本企業から外資系企業、公務員から民間企業、まったく異業種への転職、同業種への転職など、ひと言で転職といってもさまざまな形、さまざまな想い、さまざまな価値観が理由として存在していました。

ただ、共通点として感じたことが2つあります。1つは、留学時代にやりたいと思っていた仕事と、いまやっている仕事、やりたいと思っている仕事がかなり異なっていたこと。もう1つは、海外の文化や価値観を日本に持ち込むような発想から、日本のよい部分を世界に発信するような発想に変わっていたことです。

私たちの学校卒業後の就職希望先は、主に自分が学んでいる分野(学部・学科)が生かせる企業でした。マーケティングならマーケティング、環境なら環境、会計なら会計といったように、学んだ専門性を発揮できる企業であり、その職種(部署)に就けることが条件でした。日本の学校のように、学生全員に対してキャリアセミナーをすることもありませんでしたから、そのくらいしか選択基準がなかったのかもしれません。しかしながら、実際に職に就いて数年後、それぞれが自らのキャリアプランを組み直し、新しい道を歩み始めていたのです。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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