そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー

70-1

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残る仕事、残らない仕事
~身に付けたい技能・技術~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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街を歩いていると、就職活動中と思われるスーツに身を包んだ大学生をたくさん見る季節になりました。就きたい仕事、入りたい企業、なりたい職業などについて懸命に考え、実現に向かって努力しています。

インターンシップとして、育て上げネットの活動を助けてくれる大学生もたくさんいます。最初のうちはいろいろ迷ったり、調べたりしていますが、就職活動が進んでいくにつれ、希望先も具体化していきます。

私は、大学を中退したため就職活動をしていないのですが、周囲の友人たちの話と比較して、インターネット(IT)を使うことが当たり前の仕事が多くなったと思います。プログラマーやエンジニアを目指す学生はもとより、技術職でなくとも最低限のITスキルを身に付けておきたいと言う学生が目立ちます。

いま、日本マイクロソフト社とともに、あまりパソコンに慣れ親しんでこなかった若者のために機会を提供する「若者UP」//www.wakamono-up.jp/top.htmlという活動を行っています。全国のNPO団体と共に、年間延べ6,000名近い若者が受講しています。

その関係で、先日、米国シアトルで開催されたYouthSpark Summitに参加してきました。世界中から集まってきたひとたちと、21世紀以降にどのような技能・技術を身に付けることが、仕事に就くことを含めた「価値」になっていくのかを話し合いました。

そこでは「コーディング」スキルがとにかく必須であり、若い世代が生き抜いていくために、なくてはならないものであると話されていました。私は、そもそもコーディングって何だろうというレベルでしたが、皆さんはご存知でしょうか。

コーディング
「プログラミング言語を使ってソフトウェアの設計図にあたるソースコードを作成すること。『プログラミング』とほぼ同義だが、仕様書やフローチャートなど抽象的な設計文書の内容を、プログラミング言語を使って具体的なコードに変換していく、という意味合いが強い。」
(引用:IT用語辞典 e-Words

もしかしたら「?」かもしれません。私もそうです。しかし、欧米、南米、欧州、中東、アジア、アフリカから集うひとたちがみな同意しています。もちろん、コーディングができなければ仕事に就けないというわけではないでしょう。しかし、インターネットが当たり前にあるものとなってから20年くらいしか経っていません。その間に残った仕事、なくなった(海外に移った)仕事もあります。

いまから20年後、私たちが身に付けておくべきものとは何でしょうか。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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