そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー

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選挙に興味を持ってみよう
~インターネットを使って眺める選挙~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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今回の参議院議員選挙で大きく変わるのは、選挙期間中にインターネットを使うことができるようになったことです。「インターネット使えなかったの?」と思われる方も多いと思いますが、そうなんです。選挙カーで投票をお願いしたり、駅前で演説したり、いろいろな場所にポスターが貼られていたりしますが、これまでインターネットは使えませんでした。

特に国会議員を決める大きな選挙となると、なかなか候補者と直接接点を持ったり、実際に話を聞いたりする機会は多くありません。質問をするとなると機会はもっと限られます。

それが今回から「ネット選挙」が解禁されたことで、候補者はソーシャルメディアやブログを使って、リアルタイムで情報を発信できるようになりました。もちろん、全員の候補者が使うとは限りませんが、ネット利用率が高い若い世代にも自分の考えを知ってもらいたい。質問があればできる限り答えて行きたいと考える候補者は積極的に活用するでしょう。

自分が選挙権を持っていない年齢であっても、候補者によっては懇切丁寧に返信をしてくれると思います。なぜなら、数年後には投票権を持つ個人なわけですし、前回も書きましたが、そういうひとたちの意思表示を無視できる政治家は少ないからです。

ただ、ネット選挙が解禁になったからといって、これまでとものすごく変わるかどうかはわかりません。むしろ、今回の変更によって何かを変えていけるとしたら、私たち一人ひとりの想いや期待、行動が大きな役割を担います。

テレビでよく見る政治家だけが政治家ではありません。私たちが名前を知らない政治家のなかにも素晴らしい活動をされている方がいます。その一方で、耳障りのよい話をしていたのに、当選したら一切公約の実現に向かって行動しないひともいるかもしれません。そういったこともインターネットを通じて、私たちは情報を取得し、判断できるようになると期待しています。

そこでお勧めしたいのが、この書籍です。

「ネット選挙解禁がもたらす日本社会の変容」(西田亮介、東洋経済新報社)(外部サイトへ:amazon)

これまでインターネットが使えなかった選挙が変わります。では何が変わりそうなのか。これによって私たちの社会はどう変わるのか。既に投票権を持っているひとも、これから投票権を持つひとも、新しい時代の幕開けの当事者として選挙に関心を持ち、行動していきましょう。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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