そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

92-2

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嫌なことから先に、早めに
~卒業後の進路相談~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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卒業後の進路をいつから真剣に考えるのか、というのは個人差があると思います。中学生の頃から高校卒業後はこうしたいという考えを持っていることもあれば、学校で進路指導が始まってから本格的に検討を始める場合もあるでしょう。

いま、東洋大学で授業を持っているのですが、「奨学金」を活用している学生が少なからずいます。各家庭には事情があり、奨学金を使うことで進学を実現した学生もいれば、それを含めても進学がかなわない学生もいます。もちろん、初めから卒業後は就職を考えていたり、留学や起業ということもあると思います。

就職すれば働いてお金を稼ぐことになりますが、進学はお金を支払います。自宅から通うにせよ、地元を離れ一人暮らしや学生寮、シェアハウスという形を選択することもあります。どちらにしても、学費や通学費用、生活費を払うことになります。その資金を保護者に出してもらうひとも多いのではないでしょうか。自ら学費や生活費を稼ぎながら進学を実現するひともいますが、まだ少数派なように思います。

高校二年生くらいになると、進路相談が始まります。卒業後の進路は自分のものですから、働くことも、学ぶことも、じっくり考えるということも選択肢になり得ます。そのなかで、時々、自分は進学しようと考えているがまだ親と話をしてない、という学生がいます。

これまで家庭の経済状況について親と話し合っているというひとはいいのですが、まったく知らないというひともいるのではないでしょうか。自分は進学希望で、その資金の全部または一部は親に出してもらおうと考えていても、実際に進路の話になったとき、進学費用を出すことが難しい、と伝えられるひともいます。当たり前に進学できるものと思っていたのに、と当惑されます。

進学に限らず、お金の話を自ら親に切り出すのは勇気がいります。特にお金の話をほとんどしたことがなければなおさらです。私は、できるだけ早く親とお金の話をすべきだと考えます。その理由は、あてにしていたお金を出してもらえないことがわかれば、「では、どうしたら希望を実現できるか」を早く考えることができるからです。

その選択肢は奨学金の獲得かもしれませんし、高校在学中にお金を貯めておくことかもしれません。なんにせよ、お金を貯めるというのは時間がかかりますので、決断と行動は早いに越したことはありません。

繰り返しになりますが、お金の話をすることはできれば後回しにしたい、可能ならしたくないことだと思います。しかし、早く、先に相談し、自分の考えていたことと状況が違うことがわかれば、次の行動を考えることができます。残り三年あるのと、三か月しかないのでは、選択肢の幅も変わります。希望を実現させる、夢をあきらめないためにも、早め早めに話をしてほしいと思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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