そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

88-2

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健康を考える
~生活習慣の確認機会を作る~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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若いひとは元気なので健康を意識する機会がないのかもしれません。育て上げネットの支援プログラムを利用する若者に、少数ですが聞いてみたところ、健康についてチェックしたひとはとても少なかったです(これからしっかり調査を開始する計画です)。もう10年以上、健康診断や人間ドックなどを受けていないひともいました。

理由もしっかりと把握しなければなりませんが、聞き取った範囲では、「特に心身の不調を感じていない」ひとから、「前職が忙しくて時間がなかった」「人間ドックを受けるお金の余裕がなかった」という声をもらいました。

自分自身が健康なので必要性は感じづらいのでしょう。それ以外にも仕事が忙しかったり、経済的に苦しいため、心身の状態を確認できないこともあるようです。しかし、前回も触れましたが、風邪のように身体が変化を感じやすい病気とは異なり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、毎日の積み重ねの結果です。そして身体変化が現れたときには病気の発症や症状が悪化しているかもしれません。

病気になって治療に取り組むより、できれば健康のままでいたいのは誰もが望むことでしょう。だからこそ、健康チェックなど自分の身体の状態や生活習慣を確認する機会を作らなければなりません。では、安くはないお金を支払い、毎年人間ドックを受けなければならないのでしょうか。そのための資金と時間があるひとはそれでいいかもしれませんが、なかなか簡単ではありません。

では、何か簡易にできることはないでしょうか。ひとつには、身体によくないとわかっていることはしない、なるべくしないことです。これができればそもそも、という話ではありますが、具体的に何が身体によくないのかを知るのは大切なことです。

例えば、一般社団法人日本生活習慣病予防協会では「一無・二少・三多」が生活習慣病の予防につながると言っています。「一無(いちむ)」は無煙・禁煙、「二少(にしょう)」は少食・少酒、そして「三多(さんた)」は多動・多休・多接だそうです。興味があるひとは該当サイトを読んでみてください。

ふたつ目は、医師や看護師、栄養士の友人を見つけることです。もし、家族や知人、友人に専門家がいたら気軽に聞くことができます。偶然に左右されてしまいますが、ちょっとしたことを聞けるひとが近くにいると負担が少なくてすみます。

みっつ目に、自分が住んでいる地域の行政(市役所など)で、廉価または無料で健康診査をしていないか調べてみることです。ホームページで確認してもいいのですが、電話をしてしまった方が早いかもしれません。例えば、私の住む地域では40歳以上に限定せず、18歳から39歳にも広く診査の機会を提供しています。

年齢を重ねると、自分や家族、周囲に病気にかかるひとがでてきて健康に気を使うきっかけが生まれてきます。私の場合も同じで、ある程度の年齢になるまで、健康を意識して日常生活を送ることはなかったのですが、周囲の変化に自分の意識が変わってきました。

そこでいろいろ調べてみたところ、やはり健康診断は向こうから歩いてきません。こちらから歩いていくしかありません。その際、少しでも早く歩き始めたひとが長く健康でいられるのだと思います。そのきっかけづくりとして、若者に予防医療の機会を少しずつ提供する活動にも取り組んでいきます。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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