そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー

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動き出す高校生
~「やりたい」のアンテナを張ろう~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

昨年4月に大阪のNPO団体代表とこんな話をしました。

「この社会のどこかで、何かやってみたいを抱いている高校生がたくさんいるのではないか。そんな高校生の才能や可能性に貢献したいね」

私はすでに41歳となり、自分でもやりたいことをやっていますが、それなりに年齢も重ねてくるなかで、やりたいことがある若い世代にも役に立つことができるのではないか。そう思っています。

そんなとき、高校生に貢献するためにできることは何かを考えました。選択肢はたくさんありますが、これからの社会を生き抜くための「武器」を提供したい。そして一緒に前に進んでいきたい。そう考え、新品のパソコンを渡すこと。全国から中高生が集まるプログラミングキャンプに参加する機会から始めてみることにしました。

それらにかかる費用はクラウドファンディングで集めました。悩みや生きづらさを持つ高校生を優先に、5名の高校生を選抜。病気や障害を持っていたり、学校や家庭に居場所のない高校生がたくさん応募してくれました。

これまで社会の片隅で、そっと「やりたい」を抱いていた高校生との出会いは、彼らの想いが実現しづらいこの社会をよく表しています。それはお金の問題であったり、身体的な事情であったり。しかし、新品のPCを持ち、日本中から集まる同世代との時間は、彼らにとって大きな経験になったようです。

▲下記「TECH FUND REPORT」より

彼らの共通点は三つあります。ひとつは、実現できるかどうかは別にして「やりたい」と言うことを捨てなかったこと。もうひとつは、周囲の信じられるひとに伝えていたこと。最後に、情報取得をあきらめなかったことです。

今回、私たちはネットと先生や若者を支援する支援者を通じて応募してくれる高校生との接点を求めました。彼らの多くは私たちの発信を先生や支援者を通じて受け取ってくれました。応募者全員に貢献することはできませんでしたが、選ばせてもらった高校生は、不確定な未来を生き抜くための小さな経験を得ることができたのではないかと思います。

こちらに彼らが歩んだ短くとも濃い経験が描かれています。同世代の高校生が実現したそれぞれの「やりたい」をぜひご覧ください。

TECH FUND REPORT
D×P & SODATEAGE NET & Life is Tech!
PDFファイル・6MB)

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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