そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

112-1

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高校卒業にあたって
~「働く」で困ったときには~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

高校3年生の多くは、高校卒業が迫ってきました。受験を控えている方はまだ感慨にふける余裕はないかもしれません。受験当日に体調を崩さないよう気を付けてください。

高校を卒業して就職をされる方も進学してアルバイトをされる方も、「働く」と向き合うことになります。お金を払って勉強することや、必要なものを購入することとは違い、自らの知識や経験、時間を提供した対価として給与などをもらうことになります。お金を支払うのともらうのでは大きな違いがあり、戸惑うこともあるかと思います。

私が代表をしているNPO法人育て上げネットでは、「お金」「仕事」「生活」をテーマに、年間100校前後の高校で授業を行っています。これまで家庭や学校でそれらについて考える機会がなかった高校生も、すでにたくさんの経験をしている高校生も、卒業後の自立的な人生を歩むにあたって、さまざまな不安や葛藤を垣間見ることができます。

やってみたかった仕事で働いてみることへの期待や、何かトラブルに巻き込まれたらどうしようという不安が同居しているかもしれません。ネットでは、さまざまなトラブルによって職場を去ったり、身体を壊してしまったひとの話であふれています。

私も、仕事でうまくいかずに悩んだり、実際にトラブルで困ったりする若者と多く出会います。彼らも最初は自分で何とかしようと努力をしますが、仲間がいなくなったり、問題が改善しなくなると少しずつ苦しくなっていきます。

「どうしてうまくやれないのだろうか」「自分に問題があるのではないか」。だんだんそのような考え方になってしまうことがあります。うまくいかないことがすべてひとりの個人の責任ということはほとんどないのですが、本人がそのように思い込んでしまうと、客観的な事実と、自分の主観的な考えがごちゃごちゃになってしまいがちです。

もし、みなさんが卒業して「働く」で困ったときは、知人や友人だけでなく職場の外にいる専門家にも相談していただきたいと思います。そうはいっても「どこに相談したらいいの?」となるかと思います。

ひとつ覚えておくといいのは全国380か所にある「総合労働相談コーナー」です。ここは厚生労働省が管轄をしている公的機関になります。秘密は厳守され、無料で利用できますので、ちょっとしたことでも、ちょっとしたことだからこそ、必要なときは門をたたいてみてください。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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