そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

112-2

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高校卒業にあたって
~「世界を観たい」と思ったときは~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

私はNPO活動以外で、大学で授業をすることもあります。大学生と話をするときによく出るのが「海外」というキーワードです。これから先、日本および日本人だけの中で生活が完結すると考えている学生はいません。

ただ、これまで海外に行ったことがなかったり、外国人の方と話したりしたことがないと、何となく世界と言われてもイメージがつきません。そのため、海外留学や旅行、ワークキャンプなど、さまざまな機会を使って新しい経験をしてみたい。そういう大学生は多いです。もちろん、いま高校生であっても同じ想いを持っているひとはいるでしょう。

もう20年も前の話ですが、私が大学生だったときは、アルバイトでお金を貯めて海外に足を延ばしてみました。そして、海外で生活をしてみたいと考え、親に留学費用を出してもらえないかお願いをしました。

たまたま両親が承諾をしてくれたのは、本当に運がよかったとしか思えません。偶然恵まれた環境にいたのです。しかし、いまの大学生は半分近くが奨学金を借り、忙しい大学生活の隙間でアルバイトをしています。そのアルバイト代も生活費や学費に充てなければならないため、海外に出るための資金を貯めることは簡単ではありません。

日本にもたくさんの外国人やルーツが外国にある方がいますので、学生生活のなかで新たな出会いや発見をすることもできます。サークルやアルバイト先をうまく選ぶということで実現可能性は高まります。

それでも海外に足を運んで、異国文化を体感するということは大変重要です。多忙な生活のなかでも、みなさんには多くのチャンスがあります。ひとつは、在籍する大学などで学生が海外に出ることを応援しているか調べてみてください。交換留学や奨学金が準備されていることがあります。

もうひとつは、ワークキャンプという手段があります。現地に滞在してボランティアをするものです。私の友人もワークキャンプ団体を主催していますが、現地で価値を提供するという体験は得難いものです。

最後に、もし留学をしてみたい、海外で学んでみたいという大学生や高校生には、「トビタテ!留学JAPAN」もぜひ検討してみてください。政府だけでなく、民間企業もみなさんの留学をさまざまな形で後押ししています。たくさんの事例も掲載されていますので、「世界を観たい」と思ったとき、たくさんの応援がみなさんの周囲にはあることを知っておいていただきたいです。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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