そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

113-1

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大学生になる前に
~アルバイトでキャリア形成~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

高校卒業後に進学を希望される方は、だいたいの進路が決まった頃だと思います。大学や専門学校に進学したら、新しい環境で新しいことにチャレンジしようと心に決めている方もいるでしょう。

いま、NPO法人育て上げネットでは新しい風景があります。私は職場に自分の机がないので、空いているところで仕事をするのですが、すぐ傍に3人の高校三年生が働いています。中学校では職場体験、高校ではインターンシップなどを体験したかもしれませんが、その3名の女性はアルバイトです。

新年度から大学や専門学校に行くことが決まっているのですが、卒業までの間、育て上げネットで働くことになりました。きっかけは育て上げネットで働く大学生と地域活動の場で出会い、そこから興味を持ってNPOの扉を叩いたそうです。

彼女たちは教育事業部の所属ですが、パソコンを開き、資料をまとめたり、調べ物をしています。初めての環境でまだ遠慮がちですが、仕事の生産性をあげるため、わからないところは質問したり、自分で調べたりしています。

大学生がNPOで働くことは珍しいことではありませんが、高校生のアルバイト先として、また、キャリア形成のひとつとして、NPOでのアルバイトを選択することは、私が知っている限りそれほど多くないと思います。

もちろん、ファーストフードやレストラン、コンビニエンスストアなど、高校生が働いている場所はたくさんあります。しかし、地域課題や社会課題の解決のために活動する職場に高校生がいるのはとても新鮮です。

これも私が知り得る範囲ですが、NPO側の立場からすれば、募集人材にかなう限りにおいて、採用面接に来るのが高校生であっても大学生と区別することは少ないでしょう。それはインターンシップでも同じです。

多くの若者が大学や専門学校を卒業した後、どこかの企業に就職することを考えていると思います。そのため在学中にはインターンシップに取り組み、キャリア形成に取り組みます。学校からインターンシップを推奨されるかもしれません。

しかし、私の目の前にいる高校生を見るにあたって、インターンシップにせよ、アルバイトにせよ、大学に入ってから、専門学校に慣れてからでないといけないことはまったくありません。高校卒業後の進路が就職希望でも同じです。

やりたいこと、やってみたいことは、そう思った時が行動するときです。いまは周囲から珍しいと思われるかもしれません。しかし、時代はどんどん変わっており、「まだ高校生だし」ということを考える必要はなくなっていますね。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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