そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

114-1

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あまり会話をしないひとと話を
~ときには校長先生に~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

私は東京都立東大和南高校を卒業しました。とても落ち着いた学校だったと思います。卒業して15年以上経って、母校で在校生にお話をさせていただく機会がありました。そのきっかけは、校長先生からの依頼でした。

その校長先生は私が在校していたときはいませんでした。自分が学んだ場所に十何年もしてから足を運ぶというのは不思議な感覚で、図書室に私のいくつかの著書が並んでいるのを見てとても感動しました。

先日、すでに退職をされたその校長先生から連絡をもらいました。二人の高校生が社会の課題を解決するために行動しており、話を聞いてほしいというものでした。

みなさんと同じ年齢の高校生です。テレビやネットでニュースになる虐待やいじめの問題を、自分たちのことととらえ、テクノロジーを使って解決していこうとしている素晴らしいお二人でした。

そのとき、ふと思ったのは、高校時代に校長先生と話をする機会はなかったのではないか。そもそも担任や部活の監督くらいしか話をしなかったのではないかということです。

学校には担任や教科指導、部活以外にもたくさんの大人がいます。何か困っていたり、困っていなくても「こんなことをしてみたい」「こういうひとに会ってみたい」といったりすることは誰でもあります。

思わぬひとが、自分が話を聞きたいひととつながっていることもあります。そう考えると、特定の友人や大人だけでは、その可能性は限定されたものになります。一方、学校内外でたくさんの関係性があれば、そのつながりからの可能性はどんどん広がっていきます。

学校外での関係性を作るのは、在学中だと簡単ではないかもしれません。しかし、学校内でもそれはできます。特に校長先生や副校長先生は、役割としても学校外のつながりを多く持っています。また、みなさんのことを一番に考える先生方のまとめ役でもありますので、生徒のためなら力を貸してくれるはずです。

みなさんは、校長先生と直接じっくり話したことはあるでしょうか。悩みがあってもなくても、相談したいことがあってもなくても、一度、普段はあまり接点のない校長先生や他の先生と、思い切って話をしてみてはいかがでしょうか。きっとみなさんが持ちえない視点や言葉をいただけるはずで、素敵な時間になると思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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