そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

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SNSを使った相談が広がっています
~不安や悩みもSNSを使って専門家に相談~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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夏休み明けは、心や身体が不安定になりやすい時期です。長い休みの間に将来の不安が高まることや、生活リズムを乱してしまうこともあります。非常に悲しいことですが、夏休みの終わり、新学期の始まりは命を落とす若者が多くなります。

悩みや不安を相談するとき、多くの若者は家族や仲の良い友人に話をします。ファミレスやファーストフード店で、家族のことや学校のこと、部活や友人関係の悩みを打ち明けたことがあるというひともいるのではないでしょうか。

信頼できる存在としての家族や先生、友人だからこそ安心して相談しやすいということがあるかと思います。しかし、深い関係だからこそ逆に話しづらいということもあるでしょう。周囲に相談できないので自分自身で悩んだり、本やネットで調べてみるということができます。

しかし、二年ほど前からLINEなどのSNSを使った相談窓口が設置されてきました。そう聞くとちょっと怪しい感じがするかもしれませんが、国や自治体(都道府県や市区町村)が設置しています。個人情報を入れることもなく、QRコードから登録してすぐ相談できるものが多いのです。

SNS相談の向こう側には、公認心理士やキャリアカウンセラーなど、普段は学校や支援機関の相談窓口にいる相談員がPCやスマホの前に座っています。しっかり研修を受けた専門家です。スクリーンには、若者から途切れることなくメッセージが届きます。

それに対して専門家が丁寧に応答しています。わからないときは質問を送り、必要な助言もしてくれます。もし、「テキストやスタンプでなく実際に声や対面で相談したい」と思えば、あなたにとって適切だと思われる場所を教えてくれるでしょう。

相談窓口を探して、相談予約をする。当日は実際に相談窓口まで足を運んで、初めて会うひとに自分の悩みを打ち明けることに抵抗がある。そういうひともいるでしょうし、むしろ、多数派かもしれません。

しかし、悩みや不安はひとりで抱えているだけで解消・解決できるものばかりではありません。相談員はそれぞれの専門領域 ー例えば、心の病気や性の悩み、将来のキャリアなどー のスペシャリストですから、みなさんが思っている以上に経験や情報を持っているはずです。

高校生の多くがスマートフォンを持ち、日常的にSNSでコミュニケーションをとっています。その延長線上のイメージで構いませんので、ちょっと引っかかるな、困ったなということがあれば、SNSを使って専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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