そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

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性的指向・性自認の悩み
~ロールモデルが大事~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

みなさんは、自分が目標にしたい「ロールモデル」という存在がいますか。それはひとりでなくてもよく、自分が目指したい方向の少し前、ずっと前を歩んでいるひとのことです。

「こんな生き方してみたい」「こういう発言ができるひとになりたい」という憧れの存在を持つことは、原動力にもなりますし、勇気にもなります。

いま、私はRAINBOW CROSSING TOKYO2019 - DIVERSITY CAREER FORUM -という、日本で初めて開催されるダイバーシティーに関する将来や仕事について考えるフォーラムのアドバイザーをさせていただいています。

これはLGBTや発達凹凸、障がいやエスニシティ(多様な言語や文化)を、個人の生きづらさではなく、生きやすさにつなげていく、キャリアを軸にしたイベントです。

ここはLGBTで活躍しているビジネスパーソンと出会ったり、障がいのある社会人がどのような就職活動をしたのか、まさにロールモデルを見つけられる場所です。

このイベントを知ってほしい理由が三つあります。ひとつは、さまざまな背景を持つひとたちが当たり前に、素晴らしい活躍をしていることを目の当たりにできることです。私たちは自分たちが経験したことの外側に広がる世界を想像力で補います。しかし、実際に日常生活で出会うことがあまりないひとたちの話を聞き、意見交換できることは、想像力を経験に変え、私たち自身の人生を豊かにします。

二つ目に、多様なひとたちを認めている企業や大学を知ることができることです。ウェブサイトを見ていただくとわかりますが、「協賛」や「賛同」という形で、このイベントをサポートしている企業、学校が見え、ブースに立ち寄れば具体的にどのようなことをしているのか知ることが可能です。

そして三つ目は、同じ悩みや経験を持つひと、このような多様性を認めているひとたちとのつながりを作れることです。みなさんが悩みを持っていても、そうでなくても、世代や人種を越え、みんながよいところを認め合い、不得手なところを補い合っていく社会を大切に想うひとたちと出会えることです。

私自身も頭では「こういう社会がいいな」と考えていても、自分の知らない分野のことは想像するのが難しいです。だからこそ、書籍を読んだり、このようなイベントを通じて仲間を作っていくことを大切にしています。

そして何より、「こういうひとって素敵だな!」というロールモデルとなり得る存在を見つけられたとき、自分の見えている世界が少し広がるんですね。みなさんにもぜひロールモデルを見つけに、こういったイベントに来てほしいと思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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