そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

119-2

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「やってみる」に制約がなくなった
~やってみるためのお金を募る~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

何かを買いたい。どこかに行きたい。そんなときはアルバイトをして、給与の一部を貯金していきます。私の子どもを見ていると、まだお小遣いは発生していないため、「貯める」という概念はなさそうです。

先日、育て上げネットの職員がFacebookに資金協力のポストをあげていました。そこには、ある大学生がかかわっている小学生が、地域のお祭りでサイダーを販売するのを手伝いたいからとあります。

また、学校に行きたいのだけれど通えない別の小学生が手作りした作品の販売も行うといいます。それをバックアップするため「応援投げ銭」をお願いしたいと。必要な金額は3,000円とあります。

自分のお金でやろうとすれば、3時間くらい働いて得られた給与を使うことになりますが、その大学生が選んだのは、不特定多数のひとから小さなお金(300円から)を集めることのできるアプリを使って、多くの人の理解と共感、協力を得ようというものでした。

あっという間に20名を越える(おそらく)見知らぬひとから、10,000円を越える応援がありました。私が大学生であれば、自分のお金を使うか、両親など身近なひとに依頼をしたと思います。

しかし、必ず集まるというものではないという前提ですが、やってみたいことを掲げ、その想いに共感したひとから資金を募っていく。

ここにはいくつか意味が見られます。ひとつは必要な資金を集めるということ。二つ目に、自分のやってみたいことを文章にして広く知ってもらえるようにすることです。この二つ目がとても大切で、小学生のチャレンジを応援しようとする大学生がいることを、私はインターネットを通じて知ることができました。そして、ささやかではありますが大学生と小学生の素晴らしいチャレンジの一員にしていただけたことです。

やってみたいことのためにアルバイトをして貯金をするのは選択肢のひとつであり、この大学生のようにもうひとつの選択肢を持っていくことは、これから先、もっとやってみたいことができたとき、たくさんの選択肢からどれを選ぶのかができるようになることです。

私は、選択肢が多くあることは豊かなことである、と考えていますので、大学生から学びながら自分でも新しいことをやってみたいと思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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