そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

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学校と社会の間で
~働けない若者が3万人増加~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

ほとんどのひとが、学校を卒業したら働くものだと考えているのではないでしょうか。在学中からアルバイトを経験したひともいるかもしれません。その一方で、学校に行けないまま誰かと付き合うことが怖くなってしまったり、高校を卒業した後に社会とのつながりが切れてしまったりすることもあります。

先月末に「労働基本調査(基本集計)2019年(令和元年)平均(速報)結果」というものが発表されました。そこでわかったのは就職活動もできなくなって、働くことに向かうことが難しくなってしまったひとが74万人であったこと。そして2018年から2019年にかけて、3万人も増加したことです。

参考:2019年若年無業者数
3万人増の74万人に(育て上げネット)

特に15歳から19歳で2万人、20歳から24歳で1万人も増えたことです。もちろん、理由はさまざまです。病気にかかったり怪我をしたひともいるでしょうし、働いていた先の企業が倒産してしまったということもあるでしょう。

ただ、若いひとの数が減り続けるなかで、「無業」という働けなくなってしまった若者が数として増えたというのは驚きでした。みなさんは、もし自分が何らかの理由で働けなくなってしまったとしたらどうしますか?

私たちは過去に働けなくなってしまった若者に調査をしたことがあります。そこでは、仕事を失うと約7割の若者がどうしていいかわからなくなったと言います。また、学校にも職場にも居場所がなくなると同じく約7割の若者がひとと話すことが怖くなったと言います。

学校を卒業したら働くもの、働こうと思えば就職すればいい。確かに、いま企業は若いひとに働いてもらいたいと考えるところがとても増えています。その一方で、ひとは突然働けなくなってしまうことが実際にあり、そのときどうしたらいいのかを事前にわかっていた、というひとは少ないんです。

次の回では、もしそうなったときどうしたらいいのかについても触れたいと思います。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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