若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー
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自宅でどう過ごしたらいいのか
~みんなどんなことをしているのだろうか~
工藤 啓(くどう・けい)
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外出する機会が減り、部活や習い事はおろか学校もありません。自宅や自室で過ごす時間が増え過ぎるなかで、自分以外のひとたちはどんなことをしているのか気になりませんか。
学校からの課題や、塾やインターネットを使った教育アプリで勉強しているひとが多いかもしれません。ただ、多くのひとがSNSや動画を眺めている時間が増えたのではないかと思います。
私がかかわっている中高生や若い人たちも、テレビやネットとともに過ごす時間が過ぎています。それは仕方のない面もあります。しかし、そんな状況であっても受け身、観てるだけ、眺めているだけというひと。そして、積極的に学びや発信、コミュニケーションを取ろうとするひとに分かれています。
それはみなさんのような学生だけでなく、大人も同じです。これまでは学校や職場に行けば、そこに誰かがいて、やることがありました。やりたいことかどうかは別にして、やるべきことや依頼が落ちてきました。
しかし、いまは同じ空間にみんなが「なんとなく」いないため、何かが起こることを待っているだけの「受け身」だと、誰かが何かをくれるまで何もすることがない状況です。
逆に積極的に活動しているひとの話を聞くと、著名人がネットを通じて出す課題(勉強やスポーツなど)にチャレンジしている。気になった情報を整理して、まとめて発信してみる。ゲームやアプリを使う側から、作る側に回れるかトライしてみています。
誰もが自宅から出ることが難しい、いまの状況がどれくらい続くかはわかりませんが、誰もが等しく持っている時間の使い方、日常の過ごし方には、大きな違いが出てきているようです。
普段見ているサイトやアプリがどのようなものかわかりませんが、企業も個人も積極的に、この状況だからこそやってみてほしいこと、チャレンジを促すことを発信しています。少しだけいつも見ているスクリーンの世界を変えて、「ちょっと面白そうだな」と思うことをやってみませんか。
認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか