そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏によるエッセー

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あいまいな不安のなかで
~「やりたい」と不安の間、安心の見つけ方~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット 理事長
工藤 啓(くどう・けい)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
公開:

飲食店などが20:00以降の営業を控えるようになり、学生のアルバイトシフトが減少したという声があります。少なくなった業務を社員で回すので、アルバイトにお願いする時間がなくなったという話もあります。

もちろん、飲食店だけが特別ではなく、さまざまな業種で同じようなことが起こっています(逆に人手不足で大変という業種もあります)。ある大学生は、生活費の一部はアルバイトを見越していたけれど、アルバイトができなくなって極端な節約を迫られていると教えてくれました。

お金の不安を解消するため、別のアルバイトを探してはいるものの、住んでいる地域や「やりたい」仕事の間でうまく次が決まらないと言います。せっかくアルバイトをするのであれば、やりたい仕事の方がいいですよね。また、このような状況ですから、自分自身が不安だと感じる仕事は避けたいと思うのは当然です。

高校生も同じかもしれませんが、多くの若者はスマホで求人情報を検索します。これはこれでとても便利なのですが、あくまでもそこに掲載されている求人情報にしかあたりません。

例えとして、いくつかの行政(市役所など)では学生のための臨時アルバイトを作っていますし、NPOなどでもアルバイトを含む求人を出しています。それらは求人サイトに掲載されるものばかりではありません。

大学などでも学生の生活を支えるためのアルバイトを臨時で作っているところがありますが、基本的には在学生のためのものなので、広く知っていただく求人サイトに掲載する必要がありません。これらは学生や先生など関係者だけが見られるサイトに掲載されていると思います。

アルバイトで稼ぐお金が生活に影響するときの不安は、「あいまい」ではなく明確なものです。解決するためには(支援制度の活用をのぞくと)お金を稼ぐ必要があります。そのときに生まれている「あいまい」さは、自分のやりたい仕事と、自分が安心できる仕事の間にあります。

そこを埋めるために悩みながら仕事を探すわけですが、私が話を聞いた学生にしぼって言えば、探し方の幅がややせまいためにうまく見つけられないひともいるようです。

アルバイトに限ったことではありませんが、不安を安心にするための情報は必ずしもひとつの場所にあるわけではありません。探し方を工夫したり、自分が見つけられていない探し方を教えてくれそうなひとと話をしたり、不安な日常のなかだからこそ、これまでとは少し異なる行動をしてみてはいかがでしょうか。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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