そこらへんのワカモノ

若年者就労支援などの活動を行う、認定NPO法人「育て上げネット」理事長の工藤啓氏とスタッフによるエッセー

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新年のご挨拶とこれからの社会について
~頑張るということ~

認定特定非営利活動法人 育て上げネット
山崎 梓(やまざき・あずさ)
※組織名称、施策、役職名などは掲載当時のものです
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最近、詳しいことはわからないがどうやらすごいことが起きている⋯ということが増えています。

人工的に培養した脳にテニスゲームをさせることを成功した(英文)

カエルの肺の細胞から生まれたロボットが子孫を残すことができた(英文)

宇宙船がワープをするために必要なワープ・バブルの生成に成功した(英文)

子どものころ、まだ映画やアニメの設定に使われていた、当時、“トンデモ科学”だと思っていた話が現実味を帯びてきました。いままで見てきた空想の世界では、こうした研究の進む先に人類存亡の危機が待っていたので不安すら感じます。

AIが人類の知能を超えるのは2045年という示唆があります。シンギュラリティ(技術的特異点)という言葉で表現されるものです。パソコンでいうところの、計算と記憶をする機能を果たしている「シナプス」はひとりの人間に数百兆個あり、数千億に及ぶ神経細胞をつないでいるとされています。

ひとりの人間の体のなかで行われている情報処理は極めて膨大なものであり、いまの科学技術ではとてもではありませんが、同等レベルの演算をさせることはできません。しかし、2045年には同等あるいはそれ以上の処理能力を持ったAIが生まれているかもしれないと、予測がされているのです。

私は専門家ではないので深堀は避けますが、多くの機械は再現性があり、複製が容易です。アップデートするのに、生物の進化のような偶発性や世代交代も必要ないのです。この10年間でスマートフォンがとてつもない勢いで広まったように、一度完成すれば、人間社会にとって馴染んでいくことにさほど時間は必要ないように思います。

2045年はずいぶん先のような気もしますが、いま31歳の私ですらまだ60代を迎えていないし、これを読んでくださっている学生の方はまだ40代です。人生100年時代と叫ばれるいま、40代はまだ折り返しにすら至っていない、シンギュラリティが起きてからの人生のほうが長い可能性があります。

いまの常識とはまったく異なる社会通念による世界になっているかもしれません。人類誕生がおよそ500万年前。有史だとしてもおよそ5000年間、人間以上に人間社会をうまく回せる存在と出会ったことはありませんが、AIがそんな前提すら覆してしまうかもしれません。

私たちは今と同じように週5日、午前・午後にコマ割りされた授業を受けるのでしょうか。毎日8時間働いているのでしょうか。

年明けということで少し未来の話を考えてみました。いよいよ大学受験も大詰め、ラストスパートを迎えている方も多いと思います。

どんな社会が私たちを待ち受けているのか、そんな想像することにどれだけ意味があるかわかりませんが、いま頑張れることを続けていくことがあなたの次の未来の可能性を拡げ、次のチャレンジを見出すきっかけになるはずです。

「頑張る」というのは結構大変なことです。頑張りたくても頑張れないときには、ぜひ周りの力を借りてください。頼れそうな相手がいないときは少し勇気はいるかもしれませんが私たちや、あなたの力になりたい大人がたくさんいることを忘れないでくださいね。

認定特定非営利活動法人
育て上げネット 理事長
工藤 啓
1977年東京生まれ。2001年、若年就労支援団体「育て上げネット」設立。2004年5月NPO法人化。内閣府「パーソナルサポートサービス検討委員会」委員、文部科学省「中央教育審議会生涯学習分科会」委員、埼玉県「ニート対策検討委員会」委員、東京都「東京都生涯学習審議会」委員等歴任。著書『大卒だって無職になる』(エンターブレイン)、『ニート支援マニュアル』(PHP研究所)、『NPOで働く-社会の課題を解決する仕事』(東洋経済新報社)ほか

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