進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ6 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 4
Part.21 ファッション業界
マーチャンダイザー
岩崎左世子(いわさき・さよこ)さん
公開:
世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21職種の方々にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。
授乳服が中心のアパレルメーカーで
マーチャンダイザーとして重責を担う
モーハウスは妊婦やママ向けの授乳服を作っているアパレルメーカーです。「授乳服」とは、服を着たまま赤ちゃんに授乳をすることのできる機能服です。そこで私はマーチャンダイザー(MD)というお仕事をしていて、商品の企画から開発、予算の管理などをしています。
私は服飾デザイナーではありませんので、「この季節にはどういった商品が売れるのか」「どんな機能を求められているか」などを話し合いながら、企画段階から作っていきます。会社によってMDの仕事もいろいろありますが、弊社の場合は商品企画・撮影・ウェブサイトやカタログの構成、あとキャッチコピーもMDが担当しており、商品をより魅力的に見せることを常に考えています。
お客様からお手紙をもらうことがありますが、授乳服を使うことで、子育てが楽になったとか、生活が楽しくなったとか、デザインがすごくかわいいとか、好意的なお声をいただくと、自分の仕事に自信が持てて、やりがいも感じます。
新しい服の企画はスタッフから意見をもらって検討
売り方や店舗の客層から絶妙な落としどころを判断
弊社はアパレルメーカーですので、季節ごとに新しいものを作ります。私たちが「夏にこんなものを作りたい」と提案することもあれば、「この生活シーンに合うのはどんな服か」など、スタッフに商品を提案してもらうこともあります。
各自が考えて出てきた商品を私たちが見て、商品として販売できそうならそのデザインやコンセプトを起用して実際に作るという流れになっています。
私たちMDは、お客様やスタッフに意見を聞いて、関係者の主張をとりまとめる仕事でもあります。例えば新商品の色を検討するため、実店舗を運営する店長さんに聞くと、店舗の立地や顧客層によって、まるで違う意見が返ってくることがあります。
予算もあるため、たくさんの種類の商品を作ることはできません。そこで、出された意見をまとめてひとつの商品を作らなければなりません。異なる意見を組み合わせることもあれば、絶妙な落としどころに持っていくために、誰かの意見を切り捨てなければならないときもあって、苦しい判断をしなければならない大変な仕事でもあります。
アパレルでマーチャンダイザーを担う以上、服飾が好きであることは必須です。また、いろいろな人と関わるお仕事ですから、コミュニケーション能力が高い人が望まれます。
次のシーズンを考えて仕事を進めるため、コツコツと計画を立てていける人がいいと思います。