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進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ6 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 4
Part.18 美術・デザイン・マンガ・アニメ業界
切手デザイナー
切手・葉書室 切手デザイナー
山田 泰子(やまだ・やすこ)さん
公開:
世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21職種の方々にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。
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日本郵便株式会社に勤務する
切手デザイナーの山田泰子さん
少数のデザイナーが日本の切手類全てをデザイン
同じ題材でも表現技法が違うところが楽しい
日本郵便のこの切手・葉書室では、年単位のスケジュールをもとに、今後、どういう切手を作るか、担当のプランナーさんと私たちデザイナーがチームになって、日本で発行されるハガキや切手を制作しています。
この部署の切手デザイナーは現在8名ですが、年間約50種類の切手類をデザインしています。ですから、各担当が年に7件か8件くらいを割り振られて、常に3~4件を平行して制作しております。私は記念切手とか年賀ハガキなどを担当させていただいております。私の担当した中では、特殊切手「日デンマーク外交関係樹立150周年」の人気は高かったと聞いております。
同じ部屋で仕事をしているデザイナーのみなさんとは、例えば同じ「桜」がテーマでも、描き手によって絵柄が全く変わってしまうというところが面白いです。それが個性なのは分かっていますが、同じ題材でも表現が違っていて、こんな描き方・とらえ方があるのかと感心したり、楽しくなったり、とても勉強になります。
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和の文様シリーズ第4集のこの切手は
山田さんがデザイン
配達も好きだったけれど、切手のデザインに挑戦
苦労してデザインしたものが流通することが楽しい
私は、実はデザインを勉強したことがありましたが、アルバイトで郵便配達をしていました。
一般に、配達は大変なイメージがあると思いますが、私はバイクで山の中を走り回るなど、配達が楽しすぎて正社員になってしまったくらい好きでした。
正社員になって、日々の業務についていたある日、切手デザイナーの募集に私も応募できることがわかりました。採用はわずか2名でしたが、これは受けねばと思って挑戦してみたところ、私の熱意が伝わってこのクリエイティブな仕事に就くことができました。
切手のデザインは、どうしても人の感覚に訴える部分が多く、何が好まれるのか、売れるのかなど、判断が難しいところがあります。そこで、みんなで試行錯誤を繰り返すなど、決定するまでに何回もやり直さなければならないところが大変です。切手はユニバーサルなものですので、偏りのないように、広く皆様に使っていただけるデザインであることが求められるからです。
そんな苦労をしてできたハガキが郵便局で販売されると、うれしくてやりがいも感じます。
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以前は配達業務をしていたという山田さんは
年賀状のデザインなども手がけています
人生には回り道することがありますが、どんなことにも無駄なことはないと思います。自分の直感を信じて、好きなことに正直に向き合える人が向いていると思います。
周りの意見が気になることはあると思いますが、一歩踏み出して、自分のやりたいことに突き進んでほしいと思います。
動画でインタビューを公開中です。
サムネイル画像をクリックすると動画が再生されます。(音声が出ますのでご注意ください)