進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ6 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 4
Part.15 バイオ・化学・環境業界
化学メーカー 研究開発員
総合研究所 洗浄剤開発グループ
高橋 理一(たかはし・りいち)さん
公開:
世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21職種の方々にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。
学生時代に学んだ界面化学の知識が活かせる職場
洗浄に関わるさまざまな商品の研究・開発を行う
私は出身が横浜でして、中学生の時に社会科見学でファンケルの大船工場を見学したことがあります。その当時、薬剤師に興味があったのですが、この工場見学で化粧品という製品の面白さを知りました。
学生時代は化学を専攻し、界面化学が学べる研究室に入り、学んだことを活かせる職場を考えたところ、私の原点であったファンケルに入社することができました。今はファンケルの洗浄剤開発グループで、主に洗い流すタイプのもの全てを扱っています。例えば洗顔、クレンジング、ボディソープ、ヘアケア、洗い流すパックなどもここの担当です。
私はその中で、洗顔とクレンジングなど、洗い流すとか汚れを除去する製品の開発に携わっています。具体的には、製品の内容を選定するのですが、良い成分をたくさん入れれば良い商品ができるというわけではありません。お客様が安心・安全に使っていただけるよう、配合比率を決めて、最も満足いただける機能を付与できるか、調べたり、試したりと、日々、調整しております。
ひたすら試行錯誤して正解に近づけていくこと
自分の正解がお客様の正解だった時がやりがい
化粧品の開発は、基本的には料理に近いものがあります。
フレッシュジュースを作るとき、ミキサーに材料を入れますが、栄養価の高いほうれん草、ビタミンCを確保するためにレモン、美味しくするためにリンゴも入れてみようと、いろいろ混ぜたとしても、お客様の好みに合わなければ売れません。
同様に、化粧品はもっと保湿成分を足すとか、アミノ酸を加えてみるなどの試行錯誤があります。私は泡を作る研究開発をしているので、洗浄成分を選定したり、いろいろなものに混ぜてみたり、ミキサーみたいなもので混ぜてみたり、正解が出るまで延々と繰り返すのが主な業務となります。
やはり自分が開発に関わったものが完成し、商品化できた時はやりがいを感じます。研究から発売までは約1年、長いものだと数年かかることもあるので、試行錯誤を繰り返し、工夫して作り上げたものが、形としてお客様に届くのです。そして弊社ではお客様の声が私たちに届くしくみがあるのですが、満足していただけたと高評価を受けると嬉しいですね。
研究開発部門ですので、好奇心の強い人が向きます。「なんでだろう」と考えて「こうではないか」と行動できる人ですね。
合っているかそうでないかをひとつずつ確認していくことを楽しいと思える方なら、すごくやりがいを感じていただけるのではないかと思います。