キャンパストピックス

大学・短期大学・専門学校・高校や教育に関する最新の話題を紹介

10/31 No.2

フランスを代表する
MOFパティシエを招聘し、
エコール・ルノートル特別授業を開催

国際製菓専門学校
西東京調理師専門学校
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:

国際製菓専門学校、西東京調理師専門学校を運営する学校法人啓倫学園(東京都立川市・田中亮一理事長)は、姉妹校提携を結ぶフランス・パリのエコール・ルノートルから特別講師にクリストフ・ルドン氏を招き、10月10日から14日の5日間にわたって特別授業を開講した。

世界中から料理人やパティシエが入学する“プロのための学校”といわれるエコール・ルノートルと姉妹校提携を結ぶのは、日本では国際製菓専門学校と西東京調理師専門学校の2校だけで、これまでも両校は特別授業を合同で定期的に開講してきたがコロナ禍の影響で今回は3年ぶりとなった。

特別講師のルドン氏は、若くしてMOF(フランス国家最優秀職人章=Meilleur Ouvrier de France)を受章した世界の洋菓子界を代表するパティシエで、エコール・ルノートル教授のほか100%オーダーメイドでお菓子を販売するというコンセプトのお店のオーナーでもある。特別授業期間中は最高峰の技術を学ぼうと両校から多くの学生たちが参加した。

パティシエの技量と感性が問われる
ピエスモンテ

10月13日の特別授業ではチョコレートを使ったピエスモンテの実演が行われた。ピエスモンテは砂糖や飴、チョコレートなどの素材でさまざまな造形物を制作するフランス伝統の菓子細工で、作り手に高度な技量とセンスが求められる。

特にチョコレート素材は微妙な温度差で変形するため、ルドン氏は徹底した温度管理や素早い作業、事前の段取りの大切さなどを強調し次々にパーツを仕上げていった。

学生たちは授業の終盤まで完成が予想できずにルドン氏が手際よくパーツを組み立てる作業に見入っていたが、ジャックオーランタンなどハロウィンをモチーフにした全体像が形づくられると思わず歓声があがった。

「パティシエは技術を高めると同時に、日ごろから周囲を注意深く観察し、音楽や絵画、映画など一流のものに触れることで知性と感性を磨くことが大切です」とのルドン氏の指導に、学生たちは大きな触発を受けたようだ。10日、11日には飴細工によるピエスモンテの実演授業も行われた。

スィーツだけでなく
フランス料理の基本も実習指導

14日は「プティフール・サレ」の特別授業が行われた。近年フランスではスィーツだけでなくキッシュなどの軽食メニューを扱うパティスリーが増え人気を呼んでいる。

プティフール・サレとは塩味の効いた一口大の菓子のことで、授業ではルドン氏がシュー生地の作り方・焼き方、詰め物になるアボカドベースのグアカモーレ、サケとジャガイモのブロシェットなど、フランス料理の基本となる調理法を実演し、昼食をはさんで午後からは、ルドン氏が作った同じメニューに学生たちが挑戦する特別実習となった。

限られた時間で効率よく、かつ高い水準で調理をするのはプロに求められる必須条件であり、班に分かれた学生たちは班員同士で連携協力しながら真剣に作業を進めていった。

実習中ルドン氏は各班を回って随時適確なアドバイスをし、学生たちもチャンスとばかりに指導を受けていた。学生のどんな質問にも誠実に答えるルドン氏の真摯な姿勢が印象的だった。

「世界トップレベルのパティシエから直接指導を受けられる機会はめったにありません。ルドン先生の製菓や調理に対する情熱を目の当たりにすることもでき、充実した授業を受けることができました。この貴重な体験を将来に生かしていきます。」

決意を語る学生の言葉が象徴するように、パティシエ、調理師にとって原点となるような5日間の特別授業だった。

新着記事 New Articles