Teaching Staff Life…ベテラン教員から後輩に贈るメッセージ
#04学力を伸ばしたい生徒の
思いに応える授業を
進路指導部長
武田 浩哉 先生
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本校は東洋大学の創立者・井上円了博士をルーツにもち、明治時代に創設され、来年で創立120年を迎えます。100年以上の伝統ある男子校として歩んできましたが、2011年4月、教育提携を結んでいた東洋大学と法人合併し、2015年に「東洋大学京北中学高等学校」に校名を変更し、新校舎に移転。中高一貫の共学校となりました。来春に共学校として初めての卒業生を送り出します。
本校の目的は「本当の教養を身につけた国際人の育成」です。まずは幅広く多くの教科・科目を学習することを通じて教養を高め、俯瞰的に物事を見て探究していく力を身につけるとともに、心の豊かさと思いやりの心を育てていくことを目指します。
また、教育理念として、建学の精神を尊重し、ものの見方や考え方の基礎を身につけることに重点を置いた教育を行うことによって、自己の哲学(倫理観・人生観・世界観・真理の探究)を備え持って、世のため人のために尽くすことのできる人材の育成に力を注ぐことを掲げています。
合併に先駆けて
大幅な学校改革を推進
合併に先駆けて大幅な学校改革を進めてきました。進路指導の面においては、やはり学力と進学実績の向上です。結果を出せるかどうか、真価が問われるタイミングだと思っています。
進路指導は、高2までは文理を隔てない全科目履修で、私立大の附属校ながら国公立大受験にシフトしているカリキュラムが特徴です。上位校志向の生徒も増えてきて、東大など難関国公立大学への進学を目指すクラスも設けています。
指定校推薦で進学する生徒が多かったところへ、一般受験、しかも国立難関校へとシフトする意識変革は大きな変化でした。東洋大学附属校ではありますが、一般受験で国公立大にチャレンジするというモチベーションを維持するよう指導しています。附属校のレベルアップは大学のレベルアップにも直結します。どういった学校作りを進めるかという協議を重ねてきた結果でもあります。
そうした変化に伴って、授業をしっかり変えていくことに取り組みました。指導内容はガラリと変えたと言っても過言ではなく、面談を重ね、研修会なども開いて、授業改革を進めてきました。学校改革の要諦は、教員の意識を変えるということでもありましたから。
来春卒業を迎える共学一期生は、男子の伝統校に入ってきたということもあって、バイタリティのある女子が多く、体育祭や文化祭でも一生懸命で、いい意味で全体を牽引してくれています。
教えることに
ずっと興味があった
私は、大学で数学を専攻しました。数学を活かした職業に就きたいと思っていました。そう考えると、やはり教員なんですね。塾でのアルバイトもしましたし、教えるということにはずっと興味がありました。
公立校の採用試験も受けて、内定はもらっていましたが、私学に興味があったんです。私学はそれぞれ特色があるし、理念や目標が明確で、そこに向けて一丸となっていくという面があると思います。
赴任直後は、数学を教えたい一心で、教科指導に燃えていました。途中の学年(中2)から入る難しさに直面して、本当に苦労しました。
指導で悩んでいたりすると、教科に限らず先輩の先生方からよく飲みにも誘っていただいたり、親身に相談に乗っていただきましたし、悩んでいるときは、話を聞いてもらうだけで元気になりました。
経験を積むと
仕事の緩急を心得る
私のまわりの今の若い先生は、真面目ですごく頑張る人が多いです。教員というのは、やり始めるとどんどん仕事が出てくるんです。それに若い頃は、あれもこれもと頑張りたくなるんですね。ですから遅くまで残っているのは若い先生が多いです。経験を積むと仕事の緩急を心得るので、そういう時期も必要かなとは思いますが。
一般的には校務外の繋がりを疎んじる若い先生が多いように聞きますが、私の学校では時に教科の話をしたり、学校の話をしたりして繋がりをもつ機会もあります。
教師になった以上は、教科指導だと思うんです。生徒は学力を伸ばしたいと思っているのでその思いに応えて、どういう授業をするのかということに集中すべきだと思います。それは必ず蓄積になります。そして一方で、学校の両輪である学習指導と生活指導をきっちり行うことが教師の役割だと思いますね。
東洋大学京北中学高等学校
進路指導部長
武田 浩哉 先生
[プロフィール]
大学卒業後、平成3年に東洋大学京北高校に赴任。進路指導に携わる。