進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ1 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 1
Part.14 動物・植物業界
トリマー
代表
吉田 哲也(よしだ・てつや)さん
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世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。
毛のカットだけでなく、
健康チェックもあわせて行う
犬の美容師として、毛、爪、耳、皮膚などのお手入れを行います。
具体的には、ブラッシング、シャンプーとリンス、ドライヤー、カット、爪切り、耳掃除です。加えて、肛門の左右にある器官「肛門腺」を絞り、中に溜まった余分な分泌物を排出します。
犬は通常、この分泌物を排出することでマーキングをしますが、室内犬はその機会があまりありません。犬種によっては肛門腺に分泌物が溜まったままになり、炎症を起こしたり化膿したりします。トリマーは犬の健康のために、こうした処置もきちんと行っています。
さらに、毛を手入れするときは皮膚のチェックも徹底しています。犬の中には体温調節をするため、秋と冬に毛が抜け換わる種類がいます。しかしエアコンの効いた室内は夏でも涼しく、冬は暖かいため、毛の抜け変わるサイクルが乱れ、皮膚病につながることがあるのです。
トリマーが病気の兆候を発見することもあるので、健康面で気になったことは事細かに飼い主さんにお伝えするようにしています。
飼い主さんへの
サービス業であることを念頭に
犬用のハサミは7~8本を使い分けます。犬種によって毛の硬さや流れが違うので一概にいえませんが、一般的には、刃の長いハサミは大型犬や長毛種向けで、刃の短いハサミは小型犬や短毛種向けです。
同じ犬種でも、顔や目の大きさ、耳の高さ、足の長さなどによって、カットの仕方が変わります。さらに、飼い主さんのご要望もありますので、同じヘアデザインになる犬はいません。
どんなに自分がうまくカットできたと思っても、飼い主さんが「かわいくない」と思えば、失敗したのと変わりません。トリマーとして犬が好きであることは大事ですが、飼い主さんへの接客業であることを忘れてはいけないと思っています。飼い主さんに満足していただくために、僕たちトリマーは腕を磨き続けるのです。
また、ペットとして飼われる犬には流行があります。どの犬がどの順番で流行るのかは分かりませんので、その都度カットの仕方を研究する必要があります。一生勉強のできる、絶対に飽きない仕事ですね。
飽きっぽい人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。トリマーはいつまでも好奇心を刺激してくれる奥の深い仕事ですので、なかなか飽きないはずです。
また、簡単にゴールに手が届く仕事ではありませんので、ハングリー精神が旺盛な人にも向いていると思います。