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09/18 No.1高校生向け Webで数学力を診断する
「数検スコア診断」を開発
文部科学省「高校生のための学びの基礎診断」認定に申請中
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公益財団法人日本数学検定協会(東京都台東区・清水静海理事長)は、高校生の数学力を診断する「数検スコア診断」を株式会社ジェイジェイエスプラス(北海道札幌市・道端圭太代表取締役)、一般社団法人ICT能力開発協会(東京都中央区・道端純一理事長)と共同開発し、2018年9月1日(土)に申し込み受け付けと実施を開始する。
数検スコア診断は、生徒1人ひとりの数学科目の学習到達度を診断するWeb上の分析診断ツール。高等学校・中高一貫教育校・高等専門学校などの教育機関における指導者が、数学指導の質を高め、生徒の学習意欲を向上させるために利用できるよう開発された。
高校で学習する数学I・数学Aの内容はもちろん、義務教育課程の学習内容を含めた総合的な数学の基礎学力の習熟度合いを測れるため、高校1年生の基礎学力を確認するのにも最適だ。
日本では、STEM(Science, Technology, Engineering and Mathematics)教育や理数教育などの教育改革の流れによって数学への興味関心が非常に高まると同時に、数学教育の質が問われている。この診断ツールは指導者のPDCAサイクルを実現し、よりよい数学教育の場を作り出すことを目的に共同開発を計画した。
生徒個人の診断結果には、レーダーチャート式で表示される「生徒の総合得点」のほかに、「絶対評価」「相対評価」「評価点数とコメント」「分類別評価コメント」が記載される。個人の能力を絶対評価と相対評価の2つで表示することで、学習能力の到達度だけでなく、日ごろの授業や受験などの場面における周囲と自分の能力の差を確認することもできる。また、生徒1人ひとりの習熟度に合わせて、復習すべき学習内容をアドバイスする。
全体評価では、「理解度の分布指標」「授業ウエイト・学習目標・学習到達度の分布指標」「診断コメント」が記載される。クラス全体の詳細な分析評価や対象コメントを提供し、指導者の授業を組み立てていく際のPDCAサイクルに活用できるように開発されている。
指導者が目標としている生徒の学習項目達成度に対して、実施した授業内容の結果がどれほど目標に近づいているかを数値化・グラフ化することで客観的に評価・分析。この診断結果をもとに、授業のウエイトを調整したり、教育方法や内容に見直しをかけたりすることができる。
すぐにまとまった分析結果が表示され、実施データ入力や細かい情報登録などのシステム操作作業がなく、指導者の日々の業務負担は最小限まで抑えられているのも特徴。
数検スコア基礎診断での診断パターンは「Web分析」と「項目別診断」の2つがあり、それぞれ特性を生かした時期に活用することができる。
「Web分析」は、指導者が授業プランに沿って学習項目(単元)を設定し公開すると、生徒がWeb上で個別に取り組むことができる、単元別の「小テスト」のようなもの。
「項目別診断」は、実施日時と診断したい範囲を指導者が任意で設定し「期末テスト」のようにして活用する。学期内で習得した学習内容をCBT方式でまとめて診断するもので、診断分析結果は、個別・クラス別に表示される。
「学年末テスト」のように活用できるのが「数検スコア総合診断」。科目を修了した生徒を対象に、年に1回、クラスごとに実施する。各科目のすべての単元を範囲に含めて総合的に出題するので、1年間の集大成として診断し、分析結果を今後の授業計画や指導の改善に生かすことが目的だ。
現在、開発が終了した数検スコア基礎診断・数検スコア総合診断の「数学I・数学A」においては、文部科学省の「高校生のための学びの基礎診断」の診断ツールとして認定を受けるべく申請中。今後、数検スコア診断は「数学II・数学B」「数学III・数学C」にも出題範囲を広げて、さらに高校生の学習サポートにつながるツールへと改良していく予定。
【「数検スコア診断」概要】
名称:数検スコア基礎診断・数検スコア総合診断
リリース日:2018年9月1日(土)
対象:全国の高等学校・中高一貫教育校・高等専門学校などの教育機関および学習塾
出題範囲:学習指導要領にそった義務教育課程・数学I・数学A
解答方式:選択式、短答式、記述式
受検料:数検スコア基礎診断 6,156円(税込)
数検スコア総合診断 3,456円(税込)
利用環境:パソコン、タブレット(スマートフォンは一部非対応)※OSとWebブラウザは最新のバージョンを推奨します。
診断時間:数検スコア基礎診断 20分+選択した項目数×約2分
数検スコア総合診断 60分