進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ1 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 1
Part.10 医療ビジネス業界
医療事務
医療事務
佐野 紗知(さの・さち)さん
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世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。
患者さんの医療費を計算し、
診療報酬明細書を作る
医療事務の主な仕事は、大きく分けて二つ。「医療費●割負担」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、まったく同じ診察や治療を受けたとしても、患者さんが加入している医療保険によって、支払う金額が異なる場合があります。その計算をするのが、医療事務の主な仕事の一つです。
いずれにしても、医療保険に加入している患者さんが病院で支払う医療費は、診察費用の一部ということになります。したがって、残りの費用を患者さんが加入している社会保険や国健康保険に請求するわけです。その請求時に必要な書類が、私たちが「レセプト」と呼ぶ診療報酬明細書で、これを作ることが、もう一つの主な仕事だといえます。
いずれの仕事にも求められるものは「正確さ」ですね。数字を扱う仕事ですが、必ずしも理系である必要はありません。2年に1度ある診療報酬の改定時に、向上心を持って勉強する姿勢や、コツコツと経験を積んでいく持続性があれば、大丈夫です!
患者さんに最初に出会い、
患者さんを最後に見送る
医療事務の仕事の難易度は、勤務先の病院の規模などによって、多少ではありますが異なります。たとえば、いろいろな科があったり、入院設備があったりする大きな病院では、その分、医療事務に求められる専門知識も高度になるといえますね。ただ、受付業務や案内業務などは別に担当がいることが多いので、考え方によっては、医療事務の仕事に集中できる環境だともいえるかもしれません。
私が勤めている病院は中規模のクリニックなので、医療費の計算やレセプトの作成以外の事務仕事もします。来院された患者さんの保険証や診察券の確認をして受付をしたり、必要に応じてデータ入力をしたり、患者さんが困っているようであれば、こちらから声をかけさせていただくこともあります。そのため、患者さんとの距離感はとても近いですね。
私は産休を取得した後に復職したのですが、産休に入る前、たくさんの患者さんから、「出産、頑張ってね」と声をかけていだき、とても嬉しかったことを覚えています。
中規模以下の病院では、小さなお子さんから高齢者の方まで、いろいろな患者さんと関わるので、誰とでも明るく話ができる人がいいですね。また、患者さんは何かしらの不調を抱えて来院されているわけですから、相手を優しく気遣える人に向いている仕事だと思います。