EYE's Journal

いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査

12-1

シリーズ12 高等学校における防災対策についてのアンケート調査
Part.1 
概要・設問1~設問4

編集部
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
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ドリコムアイ.net編集部では、2012年2月22・23両日、東日本大震災から1年を迎えるのを前に、関東1都6県と山梨、静岡県の高等学校1,525校を対象にした「防災アンケート調査」を実施した。東日本大震災において、防災マニュアルの想定外の出来事があったとする学校が、回答数の64%を超えた。
なかでも、生徒の帰宅問題、校外活動中の生徒の安否確認や保護者への連絡が困難であったことを訴える意見が多かった。大震災以降、新たに導入された防災対策は、「マニュアルの見直し」が82.4%だった。

ファクシミリによるアンケート送付
1,525校のうち有効回答301校

昨年3月の東日本大震災から1年が過ぎ、各教育機関においては、災害に備えてさまざまな対策を施していることが推測される。

そこで、ドリコムアイ.net 編集部では、この1年の間に具体的にどのような動きがあるか、関東1都6県と山梨、静岡県の高等学校1,525校を対象にした「防災アンケート調査」を実施することにした。調査の方法は次の通り。

《 調査の方法 》
●2012年2月22・23日の2日間、関東1都6県および山梨・静岡県の1,525校の高等学校に、ファクシミリで調査書を送付。
●ファクシミリまたはメールにて返信。
●1,525校のうち301校から回答を得た。
●回答率は19.7%。

県別アンケート回答数
県名 国立 公立 私立 回答数 回答率
茨 城   100 25 125 27 21.6%
栃 木   62 17 79 13 16.5%
群 馬   67 14 81 11 13.6%
埼 玉 1 147 50 198 26 13.1%
千 葉   132 56 188 42 22.3%
東 京 8 184 237 429 87 20.3%
神奈川   156 82 238 46 19.3%
山 梨   32 12 44 7 15.9%
静 岡   100 43 143 42 29.4%
9 980 536 1,525 301 19.7%

Q1 東日本大震災以降、
どのような防災対策を新たに導入しましたか? ※複数回答

「物資の備蓄」をあげた学校が54.2%、「防災教育」が45.8%、「マニュアルの見直し」が82.4%。「特に何も行っていない」は、3.1%に留まった。物資の備蓄に関しては群馬(18.3%)、埼玉(29.2%)、栃木(38.5%)など震災の被害の軽微だった地域での未対策が目立つ。

防災教育に関しては、静岡が33.3%と最も低いが、これは東海地震などに備えて、既に防災教育を行っているものと考えられる。

Q2 東日本大震災において、防災マニュアルの
想定外の出来事はありましたか? ※複数回答

「想定外の出来事があった」とする回答が64.0%に達した。

アンケートでは具体的な事例も回答していただいた。具体的な事例として回答のあった事例を以下の6項目に分類。
(1)帰宅困難者について
(2)(計画)停電に関して
(3)交通マヒについて
(4)安否確認(通信手段、通信網等)について
(5)マニュアルについて
(6)その他

その結果をまとめたのが、左のグラフ。帰宅困難者、安否確認をあげる学校が多く、回答数の56.5%。これに交通マヒを加えると66.9%に達した。

帰宅困難者の内容は、「生徒の安全をどう確保して帰宅させるのか」と「外部帰宅困難者の受入をどうすべきか」に大別される。

その他の回答として、「非常用食料の調達に苦慮した」「水道管の歪み、グラウンドの地割れ、周辺道路破損」「生徒の保護者への引渡し方法」「非常用食料の調達に苦慮」等があげられた。

Q3 災害対策マニュアルはお持ちですか?

90%を超える高校がマニュアルを持っていると答えている。

Q4 緊急時の保護者への連絡手段は? ※複数回答

横スクロールしてご覧ください

私立が電話59.5%、メール78.6%だったのに対し、国公立は電話77.5%、メール56.8%と対照的な数字になっている。私立高では業者の安全連絡網システムを利用している高校も見受けられた。

《Part.2 につづく》

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