EYE's Journal

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53-10

シリーズ53 令和3年度大学入学者選抜
Part.10 
オンライン選抜(1)
~対面との違いと気を付けるべきポイント~

文: 田中 美代
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:

令和3年度入学者対象の受験シーズンが始まった。新型コロナウイルス(以下「COVID-19」)の影響で、例年より約1カ月半遅れてのシーズン入りとなった今年度は、総合型選抜・学校推薦型選抜を含め、オンラインの活用など「新しい様式」を取り入れる大学が増えている。対面とオンラインではどこが違うのか、どんな点に注意すればいいかなど、オンライン選抜の特徴を説明する。

対面以上に話す内容を重要視
想定される質問に答えられるよう準備を

「COVID-19」によるクラスター(感染者集団)が発生しないよう、文部科学省は6月、9月の2回にわたり各大学が行う個別試験の際に対策を取るよう大学に求めてきた。それを受けて多くの大学では入試実施方法を検討・変更しており、すでに出願が始まった総合型選抜(9月15日~)や学校推薦型選抜(11月1日~)を中心に、オンラインを利用して面接や口頭試問を行う大学が増えている。

受験生の入学の意志や適性などを測る目的で導入されることの多い面接だが、対面とオンラインでは異なる点も多い。

最も大きな違いは、着席した時点から面接が始まること。

一般的な面接は、控え室に入って待機する→入室する→着席する→面接を行う→退室する、という流れで行われ、話す内容だけでなくノックの仕方や着席のタイミングなどの所作も評価の対象となる。

一方オンラインでは、面接官とのやりとりに限られるため、より話す内容や話し方、姿勢や態度、「自分らしさ」のアピールなどが重視される。志望動機や大学での学び、入学への意志など、想定される質問に答えられるよう準備をしておくことが大切だ。

面接に臨む際のポイント4カ条

実際のオンライン面接に際し、気を付けるべき点を挙げておこう。

①服装
制服など高校生らしい服装で。特に画面に写る髪型・襟元(ネクタイやリボンなど)をきちんと整えよう。

②環境
壁が白く明るい空間にオンライン環境を整えること。部屋が薄暗いと、第一印象が悪くなってしまうので要注意。

③姿勢・目線
椅子に浅めに腰かけて背筋を伸ばす。話すときは画面ではなく、カメラに目線を合わせて。画面に目線を合わせると、相手側からは下を向いているように見えてしまう。

④話し方
オンラインでは受け答えに若干のタイムラグが生じるので、対面以上にハキハキと話すこと。大きな声で、簡潔・丁寧な話し方を心がけよう。

十分な事前準備と
模擬面接が必須

面接対策としては、模擬面接が一般的だ。先生や保護者に面接官の役割をしてもらい、実際の面接と同じような形式で練習しよう。

オンラインの場合は、まず使用する機器・ソフトの使い方をチェックし、「通信回線が安定しているか」「画面の状態は正常か」「音声に問題はないか」などを確認する必要がある。あわせて使用するソフトの操作方法にも慣れておきたい。

また録画機能があるソフトの場合は、模擬面接の様子を録画して振り返るのもお勧めだ。何度も模擬面接を繰り返すことで、苦手意識や不安を解消できよう。

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