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53-14シリーズ53 令和3年度大学入学者選抜
Part.14
入試直前
冬期の学習計画(前編)
~志望校合格への最短ルート~
公開:
いよいよ12月に入り大学入学共通テスト(以下:共通テスト)、個別試験が近づいてきましたね。駿台教育研究所の吉井氏に入試を控える現役生に向けて直前期の学習方法をアドバイスいただきました。冬期は受験勉強の総仕上げです。焦らずに、できる準備を効率的に行いましょう。
〈入試直前〉冬期の学習計画
ゴールから逆算しよう!!
2学期から少しずつ日常が戻り、実りの秋を過ごし、いよいよ受験シーズンに突入。その矢先に新型コロナウイルス感染症の第3波が到来とも言われているこの頃、受験生のみなさんは多くの不安を抱えていると思います。そんな中ですが、これまでの学習成果を無駄にせず、ここからゴールまでの道筋をしっかりと見極めて準備を進めていきましょう。
冬期は基礎力を応用力に高め、実戦力を養成することが最重要課題です。これまでインプットしてきた知識を、いかに解答用紙にアウトプットできるかが大切です。
ポイント①
志望校までの距離を確認する
受験する大学の出題傾向や合格ライン(最低点)を過去問で研究・実戦しましょう。
過去の駿台生の合格者アンケートからも、国公立大学の個別試験や私立大学入試の過去問対策を本格的に実施する時期として「11月下旬から12月上旬」という回答が多いです。ちょうど2学期の期末試験が終わったあたりから、時間割や試験時間を本番入試と合わせてやり始める受験生が多いと思います。
ポイント②
得意科目と不得意科目
大学入試は3教科・4教科の総合成績で合否判定がなされます。
例えば3教科300点満点で合格最低点が195点(65%)とした時に、80点・65点・40点=185点だとすると、最低点に10点足りません。同じ10点を補う時に80点の教科がいくら得意だと言っても90点(9割)にするのはかなり力のいることです。それよりも40点の教科を50点にする方が簡単に思えませんか?
不得意科目・苦手科目の中には、まだ知識が完全に定着していないものや、未習分野が含まれている可能性があります。ここまでの学習を振り返ってみて、チェックしてみましょう。
共通テストに向けて
学習プランを組み立てよう!
2021年1月16日・17日に実施される「大学入学共通テスト」は誰も受験したことがありません。模試などで対策を行っていても不安はあるかと思います。センター試験の時代を思い返してみると、高卒生に比べて現役生は圧倒的に対策が不足していました。
今この状況で共通テストが予定通りに実施されるかどうか断言はできません。しかし、2021年度入試の共通テストは国公立大志望者はもとより、新型コロナウイルス対策として、私立大専願者にとっても「一般選抜試験が実施できなかった時に共通テストの成績を代用する」と発表している大学もあることから重要です。
例年12月には共通テスト型のマーク式模試が実施され、冬期・直前講習で対策できる時間も1ヶ月以上残されています。まずは、共通テストに向けての準備を最優先に学習プランを組み立ててみてください。
主要3教科(英語・数学・国語)の最終チェック(年内に)
共通テストでも配点の高い3教科は得点源になる一方で、学習範囲が広いため失点しやすい教科でもあります。
全範囲を見直して、例えば「数学」のベクトルで曖昧な点がある、微積分で理解できないところがある、「古文」の文法で覚えきれていないところがあるなど、分野・単元で極端な苦手分野がないかを確認して、穴を減らしましょう。
選択科目(理科・地歴公民)の未習分野を減らす
高卒生と現役生で差がつきやすいのが選択科目。できないのではなく、やっていないことが多く、それをそのままにしておくと入試本番で大きな差となってしまいます。
主要3教科に比べて集中して学習することで得点になりやすいのが選択科目。教科書や傍用問題集など基本的な学習で効果が現れやすいので、未習分野を減らすことを心掛けましょう。
これから取り組むべきものは?
手の広げすぎは禁物!
成果が上がらないと焦りからいろいろなものに手を出したくなります。「隣の芝生は青い」の例えのごとく、友達が使っているものが気になることもあるでしょう。
しかし、ここから先、新しくやるものは過去問と冬期・直前講習で受講する講座のテキストだけです。みなさんの手元にはこれまで一緒に学習してきた“戦友”とも呼べるノートや参考書、問題集、模試などがあるはずです。それらを完璧にして受験に臨みましょう。
入試は決められた時間の中で、合格点を取るものです。ここから先は、制限時間を意識して取り組むことをお薦めします。
時間を意識した学習
共通テストの英語(リーディング)のように、出題形式が変更される可能性の高いものは、過去のセンター試験の時間配分を参考にできないものもありますが、何年分か過去問を解いていくと問題の分量や出題形式の傾向が見えます。
例えば毎年全4問出題されていて分野も変わらないのであれば、90分の試験時間で最後に見直す時間の10分を引いて、80分で解いてみる、などができると思います。
すぐに解ける問題と時間がかかりそうな問題の見極め
一見簡単そうですぐに解けそうな問題に落とし穴があって、時間をロスしてペースを乱してしまったなどありがちなことです。
王道の解答順みたいなものも存在はしますが、自分の受験する年に必ずあてはまるとも限りません。全問題を見渡して、各設問では問題文の最後までをしっかりと読んで、自分の解答できる問題から当たりましょう。
また、出口の見えない問題にあたってしまったら引き返す(切り替える)勇気も大切です。また、出題形式や分野が変わる可能性はあります。この大学はこうだと決めつけないで、変化があっても焦らずに冷静に対応することも大事です。
駿台の冬期講習は、共通テスト全科目と主要国公立大個別(2次)試験・難関私立大入試に焦点をあわせた「実戦力養成」を目的とした講座を設定しています。また、直前講習は、共通テストを含め志望校合格に必要な答案を書き上げる「実戦演習」を目的としています。
入試本番を控えて冬期・直前講習ともに、限られた時間で万全を期すことができるよう、講義形式の講座とテスト演習中心の講座を取り入れ、最終チェックを十分に行えるカリキュラムを編成しています。入試対策の総仕上げにぜひご活用ください。