いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査
16-2シリーズ16 生徒のネットトラブルに関する高等学校アンケート調査
Part.2
設問4~設問6
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ドリコムアイ.net編集部では、2012年10月30、31日の2日間にわたって、関東1都6県の高等学校1,338校を対象にした「生徒のネットトラブル」に関するアンケートを実施した。このページではQ4~Q6の集計結果を報告する。
Q4 生徒のネットへの書き込みを理由として、
指導や停学等の処分を行ったことがありますか?
回答数全体のうち、「ある」68.6%、「ない」31.4%であった。Q3の回答で「学校がトラブルに見舞われた回答数が約20%」と比較すると、「ある」が約3.5倍にのぼっている。
「学校がトラブルに見舞われる」まではいかなくても、座視できない事態は生じているということだろうか。
Q5 ネット上での生徒の行動に対する
指導、処分の難しさについて、
どのようなものが挙げられますか? ※複数回答
最も多かったのが「膨大な情報の中から学校・生徒に関する情報を見つけるのが困難」で57.2%だった。「本人の特定が難しい」も45.7%あり、教師の目前で起きているわけではない事象をどう発見するのかという課題が目立つ。
「どのような行為までを指導、処分の対象とするかが難しい」は47.1%と、近年持ち上がった新しい問題への学校側の苦慮が伺える。
その他の意見としては「巧妙にされると太刀打ちできない」などやはり発見の困難さに関連する答えが多かった。県別や国公立・私立による差異はほとんど見られなかった。
Q6 サイトへの悪質な書き込み、プライバシーの侵害といった
ネット上のトラブルの予防・対策として
どのようなことを行っていますか?
全体では23.9%だった「ネットセキュリティ会社(サイトの監視や削除依頼代行)を利用している」は、国公立が18.9%、私立が33.3%と差が見られた。同様に全体で15.2%だった「学校でそれ専用の役目を負っている教師がいる」も国公立12.2%、私立20.8%と差が出た。
国公立で「その他」と答えた学校のうち、約半数が「県や都のネットパトロール」と答えており、国公立・私立ともに個々の学校での対策には限界があると思われる。
「その他」の具体的な回答では「ホームルームや学年集会での指導」「警察やネット関連業者の担当者を招いての講演」が目立った。
「特に対策はしていない」と答えた学校も19.6%あったが、そのうちの66.6%が「Q2.自校の生徒がネット関連(ブログ、HP、SNS、匿名掲示板など)の利用でトラブルに巻き込まれたことがありますか?」に「ある」、48.1%の学校が「Q4.生徒のネットへの書き込みを理由として、指導や停学等の処分を行ったことがありますか?」に「ある」と答えており、何らかの対処は必要となってきているのではないだろうか。
■お忙しいなかアンケートにご回答いただいた高等学校およびご担当者の皆さま、ご協力ありがとうございました。この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。