EYE's Journal

いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査

16-1

シリーズ16 生徒のネットトラブルに関する高等学校アンケート調査
Part.1 
概要・設問1~設問3

編集部
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:
 更新:

ドリコムアイnet編集部では、2012年10月30・31日の2日間にわたって、関東1都6県の高等学校1,338校を対象に「生徒のネットトラブル」に関するアンケートを実施した。自校の生徒がネット関連(ブログ、HP、SNS、匿名掲示板など)の利用でトラブルに巻き込まれたことがあると答えた高校が全体の71%、生徒のネットへの書き込みを理由として、指導や停学等の処分を行ったことがある高校が全体の69%と、多くの高校がネットでのトラブルに直面している実態が明らかになった。

調査の方法は次の通り。

《 調査の方法 》
●2012年10月30・31日の2日間、1,338校のの高等学校にファクシミリで調査書を送付。
●ファクシミリまたはメールにて返信。
●1,338校のうち138校から回答を得た。
●回答率は10.3%。

県別アンケート回答数
県名 公立 私立 回答校計 県ごとの割合
東 京 22 25 47 34.1%
茨 城 13 4 17 12.3%
栃 木 7 2 9 6.5%
群 馬 10 1 11 8.0%
埼 玉 13 4 17 12.3%
千 葉 15 2 17 12.3%
神奈川 10 10 20 14.5%
90 48 138 100.0%

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Q1 生徒のSNSや匿名掲示板の利用(利用率やサイト名)
についてアンケート等で把握していますか?

《全体》

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全回答数のうち18.8%の学校が「把握している」、77.5%の学校が「把握していない」という回答であった。また、無回答3.6%であった。

生徒のネット使用の把握状況を公立高校と私立高校で比較してみると、私立高校では、「把握している」20.8%、「把握していない」75.0%、無回答4.2%に対し、公立高校は、「把握している」17.8%、「把握していない」78.9%、無回答3.3%で、把握している割合は若干ながら私立高校が上回った。

《都県別》

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また、地域別の把握状況を比較してみると、栃木県で「把握している」と回答した高校が44.4%と高く、次に茨城県が23.5%、東京都が23.4%となった。一方、千葉県では「把握している」と回答した学校は5.9%、神奈川県では10.0%であった。

Q2 自校の生徒がネット関連
(ブログ、HP、SNS、匿名掲示板など)の利用で
トラブルに巻き込まれたことがありますか?

《全体》

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「ある」と回答した学校は全回答数のうち71.0%、「ない」と回答した学校は27.5%であった。無回答は1.4%であった。

アンケート回答校のうち、自校の生徒がトラブルに巻き込まれたことがあると回答した学校の割合を、公立高校と私立高校で比較してみると、公立高校では66.7%、私立高校では79.2%であった。

《都県別》

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生徒がネットトラブルにあったことがあると回答した学校の数を地域に占める割合で比較してみると、栃木県が88.9%と最も高く、次いで茨城県82.4%、埼玉県76.5%となった。

また、生徒がネットトラブルにあったことが「ある」と回答した学校の数を全回答数に占める割合でみると、東京が34.7%で最も多く、次いで茨城県が14.3%、埼玉県、神奈川県がそれぞれ13.3%となっている。

具体的にどんなトラブルであったかを記述式で聞いたところ、
「職員への誹謗中傷」
「つきまとい的な行為があった」
「一般の方とのトラブル」
「先生への暴言」
「飲食店での飲酒写真の公開」
などが上げられた。

一方、深刻な問題として報告・連絡を受けたことはないと回答するところもあった。

Q3 匿名者による書き込み等で、学校が風評被害などの
トラブルに見舞われたことがありますか?

《トラブルの有無》

回答数全体のうち「ある」が19.9%、「ない」が80.1%で、トラブルの種類は「生徒のプライバシーに関するトラブル」が5.8%、「先生のプライバシーに関するトラブル」が5.1%、「学校の風評に関するトラブル」が13.0%、「その他」が1.4%であった。

5校に1校の割合で、学校は「ネットへの書き込み」で何らかの被害を受けている。これは、すべての学校で何らかの対策を講じなければならない比率といっていいだろう。

《トラブルの内容》

トラブルの具体的内容として
「生徒自身がブログで書いた事が他のサイトにもコピーされていた」
「トラブルとまではいかないが風評はあると思います」
などがあげられている。

特に「ブログに書いた内容が他のサイトにもコピー」されている事例は、ネットの怖さが端的に表れた事例といえるだろう。本人はコミュニティー内に向けて書き込んだつもりでも、ネットは公開されている。悪意ある人間が閲覧していない保証はどこにもない。

《Part.2 につづく》

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