EYE's Journal

いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査

27-3

シリーズ27 2016~2017年度 新・高校3年生対象
Part.3
全国主要25国公立大学 受験対策ガイド
【中部・関西】
金沢大学名古屋大学名古屋工業大学
京都大学大阪大学大阪市立大学神戸大学

解説:駿台予備学校
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:
 更新:

2017年度入試をめざす新・高校3年生のみなさんが、大学入試に向けて本格的な対策をスタートさせる時期になりました。そこで、主要国公立大学25大学について、センター試験の目標ラインや個別試験の特徴や対策など今後の学習の指針となるポイントについてまとめましたので、受験勉強のスタートダッシュに役立てください。なお、2015年度入試までの出題内容と2016年度の募集要項に基づいて作成していますので、必ず2016年度入試問題や2017年度入試の選抜要項・募集要項などで最新の情報を手に入れてください(全4回)。
※下記はすでに終了した入試の情報です。

金沢大学
【国立大学・石川県金沢市】
学域:
人間社会学域/理工学域/医薬保健学域
●下記はすでに終了した入試の情報です。

金沢大は、医薬保健学域医学類が旧制六医科大学をルーツに持つ伝統校であるため、全国から志願者が集まり、合格には高い学力が必要です。

前期日程では、センター試験重視の配点をとる学域・学類が多くなっています。

センター試験:個別試験の配点は、最もセンター試験の配点比率が低い医薬保健学域医学類が450点:700点で、最もセンター試験の配点比率が高い人間社会学域地域創造学類、医薬保健学域保健学類の放射線技術科学専攻と検査技術科学専攻が900点:400点です。したがって、多くの学域・学類ではセンター試験で高得点を取ることで合格へ近づくことが可能になります。

一般的にはセンター試験の得点率は75%を目標としてください。そして、医学類では85%~90%、薬学類・創薬科学類では80%~85%とさらに高い得点率が要求されます。個別試験では、多くの学類では2~3科目、医学類、薬学類・創薬科学類では「英語」「数学」「物理」「化学」の4科目が課されます。

名古屋大学
【国立大学・愛知県名古屋市】
学部:
文/教育/法/経済/情報文化/理/医/工/農
●下記はすでに終了した入試の情報です。

名大は、一般選抜では、医学部医学科を除き、前期日程のみで募集を行います。

医学部医学科では、前期日程に加えて愛知県内の地域医療を担う人材を育成するために、後期日程で5人を募集しています。2段階選抜は医学部医学科のみで実施が予告され、実施予告倍率は前期日程が約3.5倍、後期日程がセンター試験の成績が900点満点中720点以上かつ約8倍です。

また、工学部と農学部において高得点者選抜が実施されることも特徴です。前期日程の入試問題は国公立大の標準レベルの良問が出題されており、高校の授業を理解し、基本をきちんと固めることが合格への第一歩です。

駿台の名大入試実戦模試を受験することで、予想問題を解き大学の傾向を徹底的にチェックすることが、入試本番に向けての大きな指針となり、本番の雰囲気に慣れることにもなります。標準的なレベルの出題ということは、逆に勉強量の差がはっきりと現れるだけに、万全の準備をして入試に備えましょう。

名古屋工業大学
【国立大学・愛知県名古屋市】
学部:
工(第一部)/工(第二部)
●下記はすでに終了した入試の情報です。

名古屋工業大の第一部は、センター試験:個別試験の配点比率は前期日程が450点:1,000点、後期日程が300点:1,000点と個別試験を重視した配点となっています。

センター試験では得点率75%以上を目標とし、何よりも個別試験の得点力アップを目標にして、学習を進めることが合格への大きなポイントだと言えます。

個別試験の試験科目は、英語・数学・理科(物理、化学から1科目選択、ただし前期日程の電気・機械工学科、前期・後期日程の情報工学科は物理必須)です。

英語は大問5問で構成されていますが、かつては記述問題がほとんど出題されないことが特徴でした。しかし、近年は自由英作文の出題があり、傾向に変化が起きていることから要注意です。数学は全問記述式の大問4問で構成されています。数学Ⅲからの出題が多く、レベルは標準からやや難です。理科は物理、化学ともに大問3問で構成されています。標準レベルに加えてやや難のレベルの問題も出題されるので、応用力の養成も不可欠です。

京都大学
【国立大学・京都府京都市】
学部:
総合人間/文/教育/法/経済/理/医/薬/工/農
●下記はすでに終了した入試の情報です。

京大は、一般選抜では前期日程でのみ募集を行っています。これに加えて、2016年度入試からは特色入試(推薦、学力型AO、後期日程)という新しい入試方式が始まり、前期募集人員も見直されています。

入試問題には難問が多いですが、マニアックな問題といった悪問や奇問は一切出題されず、思考力・表現力・構想力を試す、十分に練られた良問が出題されています。

教科ごとに見ていくと、英語は英文和訳と和文英訳のみという特徴的な出題形式がとられています。また、数学は大問を誘導形式の小問に分けることは少なく、受験生に自由な発想で解答を作らせるという方針が見られます。さらに、国語では解答に具体的な字数制限を設けずに自由に書かせる形式です。

京大は、単年度ごとの些細な変更はあるものの、共通一次試験導入以降、同一の出題形式を維持し続けています。他大学に比べると、ややクセの強い出題が目立ちますが、逆にそれだけに京大に絞った対策は立てやすいといえます。

大阪大学
【国立大学・大阪府吹田市】
学部:
文/人間科学/外国語/法/経済/理/医/歯/薬/工/基礎工
●下記はすでに終了した入試の情報です。

阪大は、2017年度入試から「世界適塾入試」と称するAO入試、推薦入試を導入します。これにともない、すべての学部で一般選抜の後期日程を廃止します。

前期日程のセンター試験の配点の総合点に占める割合を見ると、外国語学部、理学部、基礎工学部はセンター試験の配点が3割以下と極端な個別試験重視ですが、他学部ではセンター試験の配点は無視できないと言えます。これは、教科にとらわれない幅広い基礎学力を重視する方針を表しており、個別試験対策は当然ですが、センター試験でも高得点を目標とした十分な対策が必要です。

センター試験の合格者平均得点率は、医学部医学科で93%、他の学部・学科で75%~85%となっています。なお、理学部では国語はセンター試験でのみ課されますが配点の比重が大きく、軽視できません。

すべての教科・科目で不得意分野を無くし、バランスの良い学力を養成し、マーク模試の受験による時間配分やマークミスに注意した練習が効果的です。

大阪市立大学
【公立大学・大阪府大阪市】
学部:
商/経済/法/文/理/工/医/生活科学
●下記はすでに終了した入試の情報です。

大阪市立大は、センター試験の配点比重が高い学部が多いので得点率として75%以上を目標としてほしいと思います。ただし、医学部医学科については得点率90%程度のハイレベルな得点が求められます。

個別試験は、標準レベルの問題が出題されるので、高校の授業の内容をしっかりと理解しているかどうかが問われます。

英語は例年、読解総合問題3題、和文英訳1題という構成が多くなっており、読解力の養成が重要です。国語は、文学部が現代文2題、古典1題の計3題の構成、文学部以外の学部は現代文2題のみを解くことになります。なお、現代文は、評論と随筆または小説が1題ずつ出題されます。文系数学は大問4題で、難易度は標準的です。理系数学も大問4題で、難易度は標準的ですが、数Ⅲからの出題頻度が高くなっています。

医学部医学科志望者は、典型問題を確実に解けることに加えて、毎年数問出題されるやや難易度の高い問題にも取り組めるような応用力も身につけてください。

神戸大学
【国立大学・兵庫県神戸市】
学部:
文/国際文化/発達科学/法/経済/経営/理/医/工/農/海事科学
●下記はすでに終了した入試の情報です。

神戸大は、一般選抜では発達科学部人間行動学科、経済学部、経営学部、医学部医学科は前期日程のみの募集ですが、他の学部・学科では前期日程、後期日程ともに募集が行われます。

難関大学の後期日程廃止が相次ぐ中で、上位大学からの併願先としても狙われていることから、後期日程は例年厳しい入試となっています。歴史的に神戸商業大学を起源としていることから、医学部医学科を除くと、相対的に文系の難易度が理系よりも高い傾向があります。

前期日程では、難関大としてはセンター試験の配点比率が高く、個別試験も基本的な問題なので逆転が難しく、医学部医学科以外でもセンター試験では得点率80%以上を目指したいところです。

個別試験で出題される問題には難問・奇問はほとんど出題されません。そのため、1科目でも失敗すると大きな差が開いてしまい、合格が厳しくなってしまいます。特に、数学でその傾向が強く、問題数に対する試験時間の余裕のないことにも注意してください。

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