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47-1シリーズ47 新増設情報
Part.1
大学・専門職大学・短期大学・専門職短期大学
新増設・改組のポイント【2020年度】
公開:
文部科学省から2019年8月末までに発表された2020年度新設予定の大学・専門職大学・短期大学と、改組・新設予定の学部・学科情報についてポイントをまとめた。審査続行中のものも含め、全て予定であるため、興味のある大学については公式サイトや募集要項などで詳細の確認が必要だ。
2020(令和2)年4月 新設・改組予定
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国立大教育学部改革は継続中
共同教育学部に注目!
国立大は、文部科学省による2012年の「大学改革実行プラン」や2013年の「国立大学改革プラン」などに基づき、学部の改組や新設を積極的に推進してきました。国立大学改革プランでは、2016年からの6年間が第3期中期目標期間となっており、多くの大学で積極的に学部改組や入試改革が行われてきました。
学部改組・改編の動きは、大学院教育までを含めた理工系・農学系学部の見直しと再編、教員免許取得を卒業要件としない教育系学部総合科学課程(ゼロ免課程)の廃止などの教育学部改革、地域や国際社会を重視した学部の設置などが大きな柱として挙げられ、2019年度まで活発に展開されてきました。しかし2019年2月上旬までに判明した2020年度以降の学部改組・再編動向は、一転して静かなものとなっているようです。
その中で、教育系学部には、注目すべき動きがありました。宇都宮大と群馬大による共同教育学部設置です。少子化の影響で教員採用数が減り、教育学部定員も減少に向かわざるを得ません。この状況で教員養成機関としての役割・機能を維持・強化するには、他大学との協力が不可欠といえます。
複数の大学が共同して学部を設置する例は、すでに獣医師養成課程があり、北海道大と帯広畜産大、岩手大と東京農工大、鹿児島大と山口大、岐阜大と鳥取大で共同獣医学部や共同獣医学科が実現しており、東京大と宮崎大、宮崎大と大阪府立大でも協定を結んで、教員や施設を相互に利用する環境が構築されています。
今回の共同教育学部も同様で、例えば一方の大学である課程や教員が不足していても、もう一方の大学のリソースで補完することができるわけです。宇都宮大と群馬大は大学同士が比較的近いことから、相互にメリットが大きいシステムといえ、今後は他大学や他系統学部でも採用される可能性があります。
このほか、岐阜大と愛媛大では教育学部改組を行い、特別支援学校教員養成関連の課程を学校教育教員養成課程に組み入れる予定です。
2021年度の計画では、群馬大総合情報学部、岐阜大経営学部の設置などがあります。
公立大は新潟県立大と福知山公立大で学部新設
私立大は3校が新設予定
公立大は、2020年度の大学新設予定はありませんが、21年度に三条技能創造大(新潟・三条市)、22年に4年制看護大学(神奈川・川崎市)の設置が計画されています。
2020年度の学部新設では、新潟県立大国際経済学部、福知山公立大情報学部などが予定されており、地域社会との連携を重視した公立大ならではの専門教育を目指します。
富山県立大で工学部電子・情報工学科の改組が予定(2学科に再編)されているほか、首都大学東京が、旧校名だった東京都立大学に名称変更することも大きな話題といえます。
2021年度の学部新設では福島県立医科大に医療技術系の保健科学部、和歌山県立医科大に薬学部の設置が計画されています。
2020年度の私立大新設は3校が予定されています。短期大設置の申請はありませんでした。
新設予定大の学科別系統は、看護・医療技術系が最も多く、設置基盤となる教育機関は、短期大が2校となっています。
学部学科の改組・新設は活発
国際・健康などが注目系統に
比較的静かだった国公立大とは異なり、私立大の学部・学科の改組・新設は2020年度も活発で、判明分だけでも表に入り切らないほど。
まず、注目の系統では、尚美学園大のスポーツマネジメント学部、駿河台大のスポーツ科学部、静岡産業大のスポーツ人間科学部、広島国際大の健康スポーツ学部など、健康とスポーツに関する学部新設が盛んです。また看護・医療技術系の学部学科も多く、過去数年の新設ラッシュには及びませんが、20年度も着実に新増設に名を連ねています。
近年設置が相次いでいる国際関連の学部では、専修大の国際コミュニケーション学部、神奈川大の国際日本学部、甲南女子大の国際学部などが計画されています。
理系学部では明星大学建築学部、京都先端科学大工学部、龍谷大先端理工学部(理工学部の改組)、摂南大農学部、大和大理工学部の設置が予定されています。
また医療創生大、大阪人間科学大、宇部フロンティア大などで心理学部の新設が計画されています。
私立大で注目される新増設の具体例をいくつか紹介すると、成蹊大学では経済学部経済経営学科を改組し、経済学部(経済数理学科、現代経済学科)、経営学部(総合経営学科)が設置されます。同時に学部横断的なグローバル教育プログラムの開始も予定されています。
専修大学では創立140周年を記念して、神田キャンパスに16階建ての新校舎が完成する予定です。国際コミュニケーション学部が新設されるほか、生田キャンパスからの商学部の移転なども計画されています。生田キャンパスでは経済学部経済学科を再編、現代経済学科と生活環境経済学科の設置も計画されています。
摂南大学枚方キャンパスに設置を予定している農学部(農業生産学科、応用生物科学科、食品栄養学科〈管理栄養士養成課程〉、食農ビジネス学科)は、1学年340人の構成で、大阪府内では唯一の私立大農学部となります。