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4-2シリーズ4 専門学校とAO入試
Part.2
東京都専修学校各種学校協会
インタビュー
アドミッション・ポリシーが明確な専門学校版AO入試
有我 明訓 事務局次長
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東京都専修学校各種学校協会(以下東専各)は「平成20年4月以降入学者の入学願書受付に関する確認事項」のなかでAO入試に関連するガイドラインを発表した。その内容と狙いについて、東専各の有我明訓事務局次長に話を伺った。
東専各が発表した
「専門学校版AO入試」のガイドライン
東京都専修学校各種学校協会(以下東専各)が発表した、「平成20年4月以降入学者の入学願書受付に関する確認事項」のなかでAO入試に関連する事項は次の3点。
・AO入試の登録開始については、7月1日以降とする。
・AO入試の事務手続き開始については9月15日以降とする。
・AO入試、推薦入学、社会人枠入学の受入れ総数は募集定員の70%以内とする。
また、「専門学校版AO入試」の条件として、次の2項目が銘記されている。
1.「専門学校版AO入試」は、内定後から入学までの期間、入学予定者に対して継続的課題を課すことを必須とする。
2.「専門学校版AO入試」導入にあたっては「AO入試実施規定」を策定し公開する。
進学校の一部からは
反発の声があがったが…
東専各が打ち出した専門学校へのAO入試本格導入という方針に対して、この方針が公表されて以来、一部の「進学校」から反発の声があがってきたという。
「学生の青田買いではないか?」
「(早めに合格者を出すことが)高校教育を阻害しかねない」等々。
こうした危惧の声に対し、東専各の有我明訓事務局次長は、次のように反論する。
「高校側の懸念は大学のAO入試にも当てはまるものですが、大学のAO入試は高校において認められているわけです。“大学は認めるが専門学校は認めない”というのは、おかしな話です。もしも問題があるなら『入試』という大きな枠組において、高校側と我々高等教育機関が一緒に考え、正すべきところは正していけばいいと思うのです」
AO入試実施大学数は年々増えてきており、国立大学でも2008年度入試より、推薦入試による募集人員がAO入試の募集人員と合わせて従来の3割から5割にまでに拡大される。このような背景が、高校側に「青田買い」の懸念を抱かせているのではないか。
高校側、特にいわゆる“進学校”においては、まずは「大学への進学率」向上を目標とするケースが多い。大学全入時代がいわれだした近年では、“一般高校”も押しなべて大学を中心に進学先を考えているのではないだろうか。
「まず大学進学ありき。その後で専門学校を含む他の道を検討すればいい」というのが、近年の高校における進学指導の実状だろう。
場合によっては、自らの進みたい進路が明確で「そのために専門学校に進みたい」と真摯に考えている生徒に対しても、まず大学への進学指導を行うことも少なくない。
「現在の高校には大学進学率向上の数値目標ばかりに目を奪われているような風潮があります。我々が専門学校の選抜にAO入試を導入しようと考えたのは、こうした風潮に風穴を開け、専門学校も大学や短大と同等の高等教育機関であるということを、より明確にするという意味もあるのです」
高等教育機関といえど淘汰される時代、
専門学校も覚悟の上のAO入試導入
そもそも専門学校の志望者は大学進学志望者に比べてより具体的な目的意識や志望動機を持っている。また、専門学校の側も教育内容は大学に比べてより具体的で、求める学生像すなわちアドミッション・ポリシーも明確だという特長がある。
高校側の専門学校における「AO入試」への反発は、制度導入自体への反発というよりも、「7月1日以降登録開始」とされた「選考時期」の問題であると解釈される。
「1人でも多くの生徒を大学に進学させたい」高校側としては、生徒が安易な興味・関心に基づいて“勝手に”書類を提出し、学校が預かり知らないうちに専門学校への進学を決めてしまうということは避けたい、というのが偽らざる本音。
そこで、東専各と高校側の話し合いの結果、専門学校版AO入試に関する運用基準のなかに、「AO入試申込書類受領」の但し書きとして「担任または保護者の確認署名を求める」という一項が挿入された。
また、「内定後から入学までの期間、入学予定者に対して継続的課題を課す」ことによって、高校教育を阻害することなく専門学校入学後スムーズに職業教育、専門教育をすすめることができるとしている。
「AO入試を導入するためには、自らのアドミッション・ポリシーを誰にも分かる形で明確に内外に示さなければならないし、それに基づいた公明正大な選抜を継続していかなければなりません。いい加減なやり方では、すぐに見透かされてしまって長続きしない。実に厳しい制度でもあるのです。
逆にいえば、自らのアドミッション・ポリシーさえ明確にできないような学校は淘汰されても仕方がない。私たちはそこまでの覚悟をして、この制度の導入を決意したのです」