EYE's Journal

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シリーズ4 専門学校とAO入試
Part.1 
AO入試の現況と専門学校

編集部
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
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2008年度入試から東京都の専門学校が
「専門学校版AO入試」本格導入へ

専門学校がAO入試を導入する。

社団法人東京都専修学校各種学校協会(以下東専各と略)は、このほど、2008年度入試から実施予定の「専門学校版AO(アドミッション・オフィス)入試」について詳細を明らかにした。

AO入試は、学力試験では評価することのできない学生自身の人物像を、その学校独自のアドミッション・ポリシーに基づいて判定し合否を決める入試方法。学生募集から選抜に至るまでを、一貫してアドミッション・オフィスという専門部署が行うところから、「AO入試」と呼ばれる。

アメリカ、イギリスなどで一般的なこの方法は、日本では1990年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで初めて実施された。1997年、入試の多様化を求めた中央教育審議会が、AO入試の拡大を提言したのを機に、全国の大学に普及した。

AO入試元年といわれた2000年入試では、70以上の大学が導入。2006年入試において実施大学数は400を超え、一般入試による入学者の割合は全入学者の5割を割り込むまでになっている。

大学入試における「AO入試」と「推薦入試」

大学におけるAO入試は、時間をかけて受験生を評価するため、募集期間が一般入試よりも早期に設定されている。6月ごろエントリー開始、出願は9月、入試は10月というスケジュールが一般的だ。

推薦入試には「11月以降の出願」という文部科学省からの規制があるが、AO入試には出願の開始、募集時期などに規制がない。そのため教育関係者の一部から、AO入試を「青田買い」に利用しているのでは? との指摘もある。

大学によっては出願前に面談等を実施し(エントリー)、受験生と大学が意志を確認したうえで(ほぼ合格者が内定した時点)、実際に出願する。出願者はほぼ全員合格する というケースもあるのが実状だ。

大学全入時代突入に
危機感を募らせる専門学校

専門学校においては、これまで一般入学願書の受付は11月1日以降、推薦入学願書の受付は10月1日に設定されていた。少子化、大学全入時代という状況のなかで、専門学校にとっても、大学におけるAO入試の拡大は座視できるものではない。

多くの大学が、出願時期の早いAO入試を利用し、多くの合格者を決めることになれば、11月から願書を受け付ける専門学校にとっては明らかに不利な状況となる。同じ高等教育機関として、何らかの対応策をとらなければならない時期に来ていたのだ。

そこで出て来たのが「専門学校版AO入試」の導入。もともと、専門学校は大学に比べてその教育方針や求める学生像が明確であるところに特長がある。AO入試は「専門学校の特性に適した選考方法である」といえるかもしれない。

従来から一部の専門学校において、AO入試は実施されていたが、その実施要綱は学校によってまちまちだった。今回の決定によって、2008年度入試以降、東京地区の専門学校は東専各の定めたガイドラインに従って、AO入試を実施することになる。在籍者数の多い東京の専門学校がAO入試を導入することは、他地域の専門学校入試にも影響を与えることになるだろう。

高等学校にとっても、高等教育機関がAO入試を拡大していくことは、高校教育をそこなうことになるのでは、と危惧する教員らの声もある。

今回のシリーズでは、東京都専修学校各種学校協会から発表された「専門学校版AO入試ガイドライン」の内容を紹介するとともに、高等学校の反応や、他地域の専門学校の動向をレポートする。

図表1 高等学校の卒業者数・進学率・就職率の推移

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図表2 AO入試を実施する大学・学部・入学者数

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