EYE's Journal

いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査

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シリーズ14 看護師への進路を考える ~治療と回復を助ける専門職~
Part.3 
看護学部 学部長インタビュー(2)
専門性とゆたかな教養を備え
自主的に活躍できる看護師を養成

東京女子医科大学 看護学部
看護学部長 田中 美恵子 教授
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
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東京女子医科大学看護学部は、1998年の開設以来、医療現場で高く評価される看護師を輩出し続けている。医療の高度化・専門化が進み、看護師にもより高いレベルの知識・技術が求められるようになり、2011年の看護師国家試験では受験者の23.4%を大学卒業(予定)者が占めるなど看護師養成において大学の果たす役割が増大するなかで、同学看護学部は大学での看護教育の意義をどのようにとらえ、どのような教育を進めているのだろうか。看護学部長の田中美恵子教授に話を伺った。

在学中はもちろん卒業後まで
キャリアを手厚くサポート

▲田中 美恵子教授(看護学部長)

田中教授は、大学における看護教育は、修業年限3年の養成機関より1年多く学べるということにとどまらない意味があると指摘する。

「大学では教養科目を幅広く学ぶことができます。本学では多彩な教養科目を通じて広い視野、論理的な思考力、国際性などを身につけられるようにしていて、そのゆたかな教養が看護師として成長していくベースになるのです。

専任教員の数がとても多いのも特長です。本学の看護学部では学生90人に対して専任教員が56人いて、専門性が高く中味の濃い授業を行っています。実習のときも、学生5~6人のグループごとに専任教員が付いて、現場の方と協力しながら指導しています。

医学部学生との協働教育や実習時における協働カンファレンスなども本学の教育の特色ですね」

学生に対して、生涯にわたるキャリア支援をしていくのも特色の1つ。

「女性の社会的地位の向上と経済的な自立という建学の精神に基づいて、学部から卒業後まで支援をしています。学部では1年から4年まで『キャリア発達論』という科目を開講し、キャリアプランを考えていけるようにしています。

仕事に就いてからも本学の看護職キャリア開発支援センターが、研修、再就職支援、子育て支援などのサポートを続けます」

短期留学制度で国際感覚を磨く 
養護教諭免許の取得も可能

国際交流にも力を入れ、海外の3大学と提携して活発に相互交流している。

「ハワイパシフィック大学、アメリカ本土のアルバーノ大学、韓国の梨花女子大学に短期留学できる制度を設けて国際感覚を磨けるようにしています」

看護学部では、養護教諭一種免許を取得することも可能だ。その課程は人気があり毎年20~25人が履修している。

「少し忙しい学生生活になりますが、学生たちは積極的に取り組んでいます。担当教員はすごく密に教育をしていて、小中学校などで行う健康教育を学生が実践してみる演習を取り入れるなど授業内容にも工夫をしています」

学びを発展させたい人のために、大学院看護学研究科に助産師コースとCNS(専門看護師)コースを設けている。助産師コースは学部から進学するケースが多く、助産師の資格を取得した学生は現場で高い評価を得ている。専門看護師のコースは臨床経験を積んでから学ぶ人がほとんどで修了後は職場でリーダー的な役割を果たしている。

意欲と目的意識を持って学べば、さまざまなことにチャレンジする機会があり、将来のキャリア形成につなげていくことができる同学看護学部。

「人間に興味があり、自立的、主体的に勉強していける人は本学看護学部に向いていると思います。私たちは、本学で学ぼうとする人たちの気持ちに全力で応えていくつもりです」

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