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進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。シリーズ2 大学・短期大学17学問系統別、大学の先生に聞く「学部・学科選択のポイント」

Part.17

学び系統17
食物・栄養

【学べること】栄養、食教育、食品科学、食品加工、食品バイオ、食品衛生、フードビジネス、食文化など

女子栄養大学 栄養学部
五明 紀春(ごみょう・としはる) 副学長
※組織名称、施策、役職名などは取材当時のものです
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進学先を検討する際、将来の目標や学びたいことを明らかにしたうえで、自分の希望にあった勉強・研究ができる進学先を探すことが重要だ。具体的に学部を検討してみると、同じ名称の学部はたくさんあり、大学によって学ぶ内容に特徴があることがわかる。では、どのような点に注目してこれらの学部を検討していけば良いだろうか。ここでは17の学問分野別に、大学の先生にインタビュー。自分にふさわしい学部を選択するコツ・ポイントについてアドバイスをもらった。

家庭の台所が社会の台所へと展開する現代に、自分、家族、みんなの健康は正しい食事から得られることを、日常での実践を通じて学ぶ。

▲五明 紀春副学長

1970年代からファストフード、ファミレスをはじめとする外食産業が台頭し、コンビニ弁当が日常生活にまで浸透するなど、「食の外部化」が極限まで進行しました。それまでは家庭にあった台所が、社会へと展開しているのが現代だと言えるでしょう。変化する社会の中で、栄養的な、そして安全上の配慮のできる、健康管理まで視野に入れられる「食」のプロフェッショナルが求められています。

自分の健康は正しい食事から得られることを、日常での実践を通じて学ぶのが、創設以来一貫した本学の栄養学の考え方です。それは、栄養と料理を両輪として初めて成り立ちます。料理は栄養のバランスに配慮して献立を立て、レシピを作ります。一方、料理を軽視した栄養学もまたありえません。

本学では、管理栄養士の資格を取得でき、また家庭料理技能検定を運営しており、実践を通じて学ぶことを目指しています。そういう意識を持った栄養士を育成するため、学ぶ内容は、食文化や食に関するあらゆる分野に渡ります。学びの多様性から、フードコーディネーターや家庭科教諭、メーカーでの食品開発や臨床検査技師など、多様な可能性をもつ進路があるのも栄養学部の特徴です。

栄養学は、専門性の高い知識が得られる学びの場です。少なくない卒業生が進む管理栄養士は、勉強を終えて社会に出てもさらなるスキルアップが必要である一方、女性特有のライフイベントによるブランクがあっても現場に復帰できる、高度な技術職です。家庭を持ちつつ、ライフワークとして生涯続けられる仕事でもあります。

高校生へのアドバイス

大学で栄養学を学ぶということは、栄養だけでもなく、調理だけでもない専門職を目指すことです。大学のカリキュラムのバランスが取れているか、どちらかに偏重した専門教育になっていないかを、大学案内などで見てみるといいでしょう。またオープンキャンパスは、4年間を過ごすことになる学校の雰囲気を直接感じることができるので、体験しておくといいでしょう。

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