進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ4 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 2
Part.9 医療技術業界
看護師
救命科・救命救急センター
大沼 香純(おおぬま・かずみ)さん
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世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。
一刻を争う現場で
医師と連携してサポートする
母が看護師をしていて幼いころから働く姿を見てきましたので、漠然と看護師になりたいと思っていましたが、救命救急室へは自ら希望して入りました。もともと救命救急室を舞台にしたTVドラマを見て、かっこいい姿に憧れていたと思います。
現在、私は川崎市立病院の救命救急室にいます。一刻を争う現場ですので、いかに早くスムーズに処置できるかが重要です。医師がいち早く処置できるようサポートをします。常に「次に何が起こるか」を予測して動かなければいけません。
病棟の勤務と救命救急室との違いは、例えば医師に報告するにしても、血圧や熱の異常だけで「大変だ」と伝えるのではなく、他の機械や呼吸器なども見て様々なところから伝えることです。原因がわからないまま重症な状況で運ばれてくる患者さんが多いので、あらゆる可能性を考えていかなくてはいけません。そのためには病態を広く知っている必要があります。それだけ知識を生かせる職場だとも言えます。
急性期の患者さんの扱いは困難だけど、
快復したときの「ありがとう」がうれしい
看護師は資格を取ればずっと働けて、年齢も関係なく、経験が生きる仕事です。とはいえ、実際に病院で働きはじめると、学校で勉強したことは何だったのかと思うぐらい新しいことばかりで、臨床だと完璧な正解というものがないことに思い知らされました。
働きはじめて半年ぐらいはずっと辛く、患者さんの急変にあたったりすると最初はどうしていいかわかりませんでした。患者さんのそばを離れてはいけないけれど、誰かを呼ばなければならないと思って離れてしまって叱られたり、急性期で来られた患者さんが快復せず、ご家族の反応を見るのが辛かったりしました。
そんな経験をして、患者さんに起きている症状で気づいた点を医師に報告し、私の報告を元に治療を少し変えて快復傾向に移っていった時は、とてもうれしかったです。
救急救命室に来られる患者さんはあまり話せる状態ではないので、患者さんから「ありがとう」と言われることはほとんどありません。それでも、驚異的に快復された患者さんや、そのご家族から「ありがとう」と言われることもあって、やりがいを感じます。
自分の考えを怖がらずに伝えられる人が向くと思います。救命救急室では、情報を自ら発信していかないといけません。他の人の指示を待って何もせずにいると、患者さんがどんどん悪くなってしまいますから。
自分の見た状況をしっかりとチームに伝え、今できる最善の方法は何があるかなど、しっかりと対処すべきだと思います。