進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ4 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 2
Part.15 バイオ・化学・環境業界
環境アプリケーション開発
開発部
髙増 智(たかます・さとし)さん
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世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。
環境に配慮するための
スマホ用ごみ分別アプリを開発
弊社はメーカーさんから受注して、ソフトウェア・測定器・通信機器の一部を作る会社です。
私はそのメインの業務とは離れていて、iOSやAndroidのアプリケーションの開発を行っています。
横浜市ごみ分別アプリを作成したきっかけは、私と同僚が会社のそばのゴミ収集所を通り掛かり、そこの貼り紙を眺めて、「これが手元で見られたら便利なのにね」という雑談でした。実はあまり意識をしていなかったのですが、ごみの収集日やルールがけっこう複雑なのです。第3月曜日が資源ごみの日とか、しっかり覚えないと、いつまでも出せません。
ごみ分別アプリを作り始めた当初、ごみ収集についての基本的な知識がないことを痛感しました。調べてみると、どの自治体でも行政が行う回収と、自治会や町内会などが行う回収があるなど、初耳のことが多くありました。
また、ごみ袋についても、横浜市ではコンビニのレジ袋で出してもいいのですが、大和市では指定の袋でなければいけないなど、地域によってかなりの違いがありました。
横浜市長から表彰され、
他の自治体からは受注申し込み
スマートフォンのアプリケーションは、ユーザーがいかに使いやすいようにするかまで考慮する必要があります。説明書がなくても理解できるように、また高齢者でもわかりやすいように、絵を多用したり文字を大きくしたりという工夫もしました。
社内で試作品を作り、それを横浜市に持ち込みました。最初はアポイントを取るのさえも大変だったのですが、職員の方に試作品をお見せしたら高評価をいただきました。弊社と横浜市で協定書を結び、晴れて開発できることになりました。
社内でアプリ開発をする人間は1割ぐらいなので肩身は狭いものの、主業務をしている人たちからアドバイスを頂けたり「このアプリは便利だね」と声をかけてもらったりと、風通しの良い職場なので、とてもはかどりました。
主業務とアプリ開発では作るものが違うのですが、考え方は共通するものも多いので、困ったときや実現方法がわからない時にはよく相談に乗ってもらいました。
そして横浜市長から表彰され、その後は横須賀市、大阪府高槻市など他の自治体のアプリも手がけています。
アプリ開発を行う人の多くはそうだと思いますが、この仕事に向く人は、何か物事を行う上で、最善の方法を常に考える人だと思います。
今あるものに対して、「もっとここがこうだったら便利なのにな」とか「ここが無駄だな」とか、常に改善点を模索できる人、そして最後まで作り込む気持ちを継続させられる人だと思います。