おしえてセンセイ・センパイ!

進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ5 業界で活躍中のセンパイにきく

Part.19

アコガレ★JOBインタビュー season 3
Part.19 エンタメ(スタッフ)業界

脚本家

なりた もえこ さん
※組織名称、施策、役職名などは取材当時のものです
公開:
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世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。

舞台や映画などの脚本を制作する、なりたもえこさん

「0」の状態から「1」を創る
時にはしがらみを乗り越えて

私はいま、「西東京市を舞台とした人間ドラマ」というテーマで映画作品の脚本を書いています。脚本は、なにもない「0」の状態から「1」を作る作業です。映画を作るためには、映画を制作する人たちの理解しやすい脚本の形があります。その形にはまった本がないと映画制作は始まりませんので、その最初の形を作るのが脚本家です。

原作がある作品は「0」ではありませんが、まずその作品が選ばれた理由を理解して、物語を脚本にしたためます。映画の配給会社なら、売り上げに直結するから特定の女優を使うとか、原作に固定のファンがいるから忠実にした方がいいとか、出版社がスポンサーになっているなど、しがらみがあるものです。

書籍などの原作は、舞台や映画化を前提に作られている訳ではありませんから、視聴者や観客に面白いと思わせるとか、映像作品として通用する形にする作業もまた、脚本作りの一部だと思います。

いろいろなしがらみをクリアしながら、時にはしがらみを乗り越えて、あえて私の好きなように脚本を書くこともあります。

なりたもえこさんがパソコンで制作した脚本の原稿

自分の脚本が人の手によって立体化される
そっと忍ばせたマイテーマに気づかれることも

脚本は、私がパソコンに向かって書いただけのテキストデータが、他人の手によって舞台や映画などに立体化されます。当たり前のことなのですが、これは不思議というか、ものすごいことだと思ってしまいます。

私の初作品『ふつうの家族』は、今もロングラン上演されていますが、自分の中から「これは絶対書きたい」という気持ちが湧き出てきて、止められなくなってバーッと書いたものです。

私が1から書く作品も、原作のある作品も、テーマのしばりがある依頼された作品でも、実はメインとなる物語のテーマとは別の、私の言いたいこと「マイテーマ」を忍ばせることがあります。

これは私の作品をきちんと鑑賞し、理解した人にだけにわかる「私はこれを訴えたい」と考えているメッセージなのですが、演者は気づかないのに、お客さんの中にはそのテーマに気がついて、感想をくださることもあります。それはしっかり見て、楽しんで理解してくださった証しでもあるので、すごくうれしいです。

脚本家はパソコンに向かう地味な作業の多い仕事です

こんな人に向いている!

脚本は感情を文章にする作業ですから、自分や自分のまわりで起きたことを客観視できる人が向いています。

また、嬉しいとか悲しいとか、感情を素直に感じ、発する心を持っていることも大切です。客観視ができて、感情が豊かな人でないと、他人の心は動かせないと思うからです。

動画でインタビューを公開中です。
サムネイル画像をクリックすると動画が再生されます。
(音声が出ますのでご注意ください)

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