進路や学部・学科選びのポイントを、センセイ・センパイにインタビュー。
シリーズ5 業界で活躍中のセンパイにきく
アコガレ★JOBインタビュー season 3
Part.21 ファッション業界
服飾アドバイザー
米田 三輪子(よねだ・みわこ)さん
公開:
世の中のさまざまな職業の中から、人気の業界で活躍している21名(21職種)にインタビュー。それぞれの職業について、しごとの内容や、やりがい、面白さなどについて、語ってもらいました。「どんな人に向いているか」「なるにはどうすればいいか」など、これから進路を決めようとしている高校生に向けて紹介します。インタビュー動画も合わせてご覧ください。
メーカーのサンプル品を製作
個人の方のオーダーメイドも
私は主に「サンプル縫製」を担っています。例えば、ファッションショーに出演するモデルさんは、長身など特殊な体型が多いので、既製・量産品で済ませることができません。モデルにあわせて一着ずつ作りますが、これらの縫製をしています。
いまメインでしているのは「ミナ・ペルホネン」というブランドの小物とかバッグの製作です。展示会でお客さんにお配りするバッグだったり、イベント用の非売品だったり。メーカーから「こういう風に作ってください」という依頼が来て、それを形にして、期日までに納品するのが仕事です。
また、大仕事となるのが展示会用のサンプル製作です。多くのメーカーは年に2回ほど展示会を開きますが、それに向けて何種類か作ります。展示会場にバイヤーさんがやってきますので、「この服をこのサイズで何着欲しい」と発注され、その注文を受けて、大量生産に入ります。
この他、個人の方からもオーダーメイドの依頼を受けることもあります。
最も大切・大変なことは納期・締切の厳守
職人の意見がデザインに反映されることも
大変なのは、やっぱり「この日までに絶対にカタチにしなくてはいけない」ということです。納期とか締切と呼びますね。どうしても計画通りに行かず、製作が追いつかずに無理をすることも多く、それが一苦労です。
でも、苦労して商品が出来上がって、グラビアやカタログに掲載されたものを見た時、「あ、いい感じ」「やっぱりモデルさんが着るといいわね」って、うれしくなります。
メーカーから依頼されたものを、いざ作ろうとすると、素材的に難しいとか、要求される形にならないことがあります。デザイナーの頭の中にあるものと現実にできるものが違ってしまうのです。そんな時はデザイナーに「こういう理由で製作できません」と、逆に伝えなければなりません。
関係者と無難に意思疎通するためには、コミュニケーション能力も必要ですが、先方にハッキリ言えるだけの能力が自分になければ説得力に欠けます。デザインも素材も、多岐にわたるものを扱うため、数をこなして経験値を上げる必要があると思います。
サンプル縫製の仕事は、一人前になるまで非常に時間がかかるので、忍耐力は必要です。また、実際に服ができる工程を見ることができるので、縫製工場で1~2年働いた方がいいと思います。マニュアル通りにいかないことも多々あるので、柔軟にアイデアが出せる人が向いています。