EYE's Journal

いま知りたい教育関連のテーマについて、ドリコムアイ編集部が取材・調査

43-2

シリーズ43 高等学校アンケート調査
Part.2 
学校における先生のアプリ活用について
スマートフォン・タブレットの
学校での使用環境や問題点

編集部
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:

ドリコムアイ.netでは、2018年11月から12月にかけ、スマートフォンやタブレットでのアプリの利用について、高等学校の進路指導担当の先生方にうかがうアンケート調査を行った。このアンケート調査の詳細については後述するが、スマートフォン・タブレットを学校で使う場合の使用環境や問題点などについても触れておこう。(Part.2/全3回)

Part.1「最新の高等学校のICT環境を概観する」はこちら

Part.3「アンケート集計結果」はこちら

さて今回、ドリコムアイ・netが行ったアンケート調査は、学校としての情報インフラ整備や教員の研修状況などを主とする上記の文部科学省調査とは、方向性が少々異なっている。

スマートフォンは、ほとんどの生徒が所有している、最も身近なIT機器だ。これを教育の現場で活用できないかと考えることは自然な発想であり、多くの先生方が興味を持ち、可能性を感じていると思われる。またスマートフォンのアプリでは、キーボードを使わない直感的な操作が可能であり、使用にあたっては多くの専門的な技能を要さない点もメリットだろう。

さらに収集したデータは統計的な分析も容易で、その効率と利便性は、教育現場としても無視することができない。

スマートフォンは
個人使用機器である

しかしながら活用にあたっては、いくつか問題がある。

まず第一は、普及しているとはいえ、個人が所有する機器であり、かつすべての生徒が所有しているわけではない点にある。

生徒がスマートフォンを所有しない理由は、通信料金などの経済的なもののほか、保護者の教育方針による場合もある。そのため所有しない生徒の不利益にならない形で運用できる方策が求められる。

アプリ選択の問題がある

教育系アプリには、学校・教室を単位としたSNS環境や学校と家庭・生徒のコミュニケーションを支援するもの、個別の教科学習を支援するもの、これらすべてを統合するものなど、多岐にわたる。その中で現場が必要とする適切なアプリを探す必要がある。

商用アプリでは問題ない場合が多いが、スマートフォンにはAppleのiOS、GoogleのAndroidという2つのプラットフォームに対応し、かつ同様の機能と操作性が求められる。

機能・コストによる制約がある

導入・運用に関わる費用も大きな問題だ。ダウンロード・使用とも無償のアプリがある一方で、アプリやコンテンツが有償となる製品も多い。

一般に、高度な機能を備え、操作性にも優れるアプリは、それなりの費用が必要となる。無償アプリを使う場合でも、最低限、通信費用は発生する。

指導とセキュリティへの配慮も必要

これ以外にも先生によるアプリ機能や操作の習熟とインストール・運用の指導は必須だ。

さらに重要な課題として、生徒の個人情報が漏洩しないよう、万全の対策が必要となる。ある程度のインターネットやネットワークに関する知識が求められることもあるだろう。

スマートフォンやタブレットの活用可能性は大きいが、以上のような課題もある。先生方はどのように状況を認識し、対策を考えておられるのだろうか。

Part.3「アンケート集計結果」につづく》

新着記事 New Articles