EYE's Journal

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53-3

シリーズ53 令和3年度大学入学者選抜
Part.3 
学校推薦型選抜の概要(1)
「推薦入試」から「学校推薦型選抜」へ 
その内容をチェックする

文: 寳諸 宏
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:

2021年度から大学入学試験の名称が一新された。従来の一般入試、AO入試、推薦入試はそれぞれ「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」になった。文部科学省「平成31(2019)年度国公私立大学入学者選抜実施状況」によると推薦入試による入学者は全体の36.8%(国公立大15.5%、私立大42.6%)を占め、一般入試(53.0%)に次ぐ主要な入学方法として定着している。推薦入試の大部分は学校推薦型選抜に引き継がれているが、その内容を確認しておこう。

学校推薦型選抜の種類

学校推薦型選抜には、どの高等学校等からでも推薦できる「公募制」と大学が指定した高等学校等からのみ推薦できる「指定校制」がある。

公募制の中には、全国どこからでも出願できるもののほか、出願可能な地域を限定したもの、高等学校等の種別を限定したものなどがある。さらに生徒のどの能力を評価するかで、主に学業成績で見る一般選抜のほか、スポーツ活動、課外活動、生徒会活動、社会活動、語学資格、特定の技能技術などを評価する特別推薦もある。

学校推薦型選抜は「専願」が基本で、合格した場合は必ず入学することが求められる。国公立大は原則専願だが、私立大では他校との併願を認めている場合もある。

大学に生徒を推薦するのは高等学校などの学校長だ。従来の推薦入試では、活動団体長、病院長などの施設長の推薦、さらに生徒本人による自己推薦もあった。これらは学校推薦型選抜に再編されたり、総合型選抜に組み込まれている場合も多い。

選抜の方法について

学校推薦型選抜は、一般選抜より学力面での準備負担が小さい。

ただし大学で学ぶための知識・技能や思考力などを適切に評価するため、調査書・推薦書を主な資料として判定するが、これに加えて各大学が実施する検査(小論文などの記述試験、実技、口頭試問、教科テストなど)、共通テスト、資格・検定試験等の成績のうち少なくとも一つを活用するものとされている。

実際の選抜方法で多いのは「書類審査+面接」で、これに小論文が加わることもある。また、面接はプレゼンテーション型の採用が増えている。

選抜の時期や定員など

合格決定が早いことも学校推薦型選抜のメリットの一つだ。選抜方法で異なるが、出願期間は11月1日から、合格発表は12月以降となっている。

募集人員は、学部など募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲と決められている。

「学校推薦型選抜の概要(2)」はこちら

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