東京の専門学校

都心の専門学校ならではの、特色ある学科やコースを取材

4-1

第4回 vol.1
眼鏡学科
(前編)

東京眼鏡専門学校
(東京都新宿区)
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
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全国から入学者を集める東京の専門学校にスポットをあて、教職員インタビューを通じてそのカキュラムに迫ります。生活必需品であると同時に、ファッションアイテムのひとつでもあるメガネですが、店舗スタッフ育成を目的とするのだとしたら、あまりにもピンポイントなのがメガネの専門学校。東京眼鏡専門学校を訪ね、副校長の渡辺誠先生に、詳しいカリキュラムを聞いてきました。

高水準の就職状況にブームも手伝って
ここ数年は多様な学生が在籍

▲渡辺 誠先生

――どういった入学者が多いのでしょうか。

かつては眼鏡店経営者の子息・子女が50~60%を占めていましたが、いまではせいぜい20~25%程度。時代の流れなのか、入学者の傾向を語ることは難しくなってきました。

ふだんからメガネをかけている学生が8割から9割。残りの1~2割は、生活する上でほとんどメガネに無縁な入学者です。

――眼鏡店の後継者でも、メガネの愛用者でもないとしたら、なぜメガネの専門学校に興味を持ったのでしょう。

ひとつは安定した就職状況に魅力を感じているのだと思います。大学生を受け入れる企業がその採用枠を狭め、就職氷河期などといわれた時代であっても、東京眼鏡専門学校は4~5倍程度の求人倍率を保っていました。そのため、当時は大学や短大を卒業して入学してくる学生がかなりの数にのぼりました。

また、最近のメガネブームも影響しているのかもしれません。メガネがファッションアイテムとして、特に若者の間で人気になり、ブティック感覚のおしゃれなメガネショップが増えました。「将来は自分のブランドを立ち上げたい」と意欲を語る学生もいます。

人材不足の眼鏡業界において
有資格の専門家を育成する意義は大きい

――眼鏡店はそんなに人手不足なのでしょうか。

人手というよりも人材不足というのが実情です。コンタクトレンズをつくる際、いまでも眼科医の処方が必要なように、メガネはもともと医療補助を目的に開発された用具です。その製造や調整には、たとえば人体や眼の仕組み、衛生学や光学などの知識が欠かせません。

また、機器が発展してメガネの製造工程の大部分は自動化されましたが、それぞれの人の顔にフィットさせる最終段階の微調整では、いまにおいても人の技術に頼らざるを得ないのが実情です。

こういった眼鏡の専門家を育成し、認定する制度として「認定眼鏡士」の資格制度があります。しかし、この資格は眼鏡学校で学ぶことが基本的な前提であるため、眼鏡店等に務めるスタッフの中で同資格を持っているのは1割程度に過ぎません。

東京眼鏡専門学校では、「人体の仕組み」「眼の仕組み」「眼科学」「全身疾患学」「薬理学」といった医療系の科目はもちろん、「光学実験」「物理光学」「屈折測定論」「両眼視機能検査」などの眼鏡系の専門科目、それに経営の知識や技術を養う科目を組み合わせたカリキュラムを編成。卒業することで認定眼鏡士の実技試験が免除されます。

また、ファッションアイテムとしてのメガネの需要が高まるにつれ、ファッション面からアプローチしたいと考える学生も増えてきました。正規のカリキュラムの中に「色彩・カラーコディネイト」「ファッション」といった科目を組み入れるほか、カラーコーディネーター検定の合格をめざした特別講座も開講しています。

「眼鏡学科」の時間割(横スクロールしてご覧ください)

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