EYE's Journal

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49-3

シリーズ49 学校の防災
Part.3
~首都圏の高等学校に災害への備えを聞く~
『学校における防災対策についての
アンケート調査』報告(1)
【Q1~Q5】

編集部
※組織名称、施策、役職名などは原稿作成時のものです
公開:

日本ドリコムでは2019年12月に、首都圏(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川の1都6県)の高等学校に対して『学校における防災対策についてのアンケート調査』を実施した。本アンケート報告が各校の防災対策に資するところとなれば幸甚である。先生方には年末のご多忙の中、多数の質問事項にも関わらず、丁寧かつ的確にご回答いただき、非常に有意義なアンケートとなった。厚く御礼申し上げる。集計結果を3回に渡って公開する。(その1/全3回)

「アンケート調査報告(2)【Q6~Q9】」はこちら

「アンケート調査報告(3)【Q10~Q15】」はこちら

アンケート回答校の内訳

回答いただいたのは公立111校、国立1校、私立64校、不明1校の計177校である。

質問項目は全部で15。

質問によっては一部未記入の回答もあるため、合計数が回答総校数(177校)に満たない場合がある。

Q1 学校としてどのような組織体制で
災害に備えていますか。防災担当の長は?
a.校長/b.教頭/c.その他

【Q1】防災担当の長は?

まず各校の防災対策リーダーについて聞いた。

過半数の125校(70.6%)がa.「校長」を責任者とする体制を構築している。b.「教頭」も36校(20.3%)で、少なくない校数があり、両者の合計は160校を超え、9割近い。

c.「その他」の回答は、防災担当者やグループ(役職・名称は学校で異なる)、総務部長や事務長などの職員が担当するという回答も複数あった。

それ以外では理事長、専任教育員全員が担当、保健厚生部長、生徒(指導)部長、不審者対策は全教員が担当などの回答もあった。

Q2 普段の防災組織は何人体制ですか?
※災害時は全員が対処すると思われますが日常の防災組織の人数をお答えください。

【Q2】普段の防災組織は何人体制ですか?

ここでは平時の防災組織の人数を聞いた。

便宜的にA:1〜10人、B:11〜20人、C:21〜30人、D:30人以上で示すと、10人以下のAが102校(57.6%)。11〜20人のBが31校(17.5%)、21〜30人のCが7校(4.0%)、31人以上のDが30校(16.9%)だった。

Dは100人以上が2校あったほか、「全員」と回答した2校も含んでいる。人数記載のない回答も7校(4.0%)あった。

Q3 現在、災害対策マニュアルはお持ちですか?
a.学校独自のもの/b.自治体・警察・消防から支給されたもの/c.持っていない

【Q3】現在、災害対策マニュアルはお持ちですか?
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学校の立地・周辺環境などは各校で異なる。学校の地域的な特性等を考慮したマニュアルを独自で作成している学校は、実に169校(95.5%)にのぼる。自治体等から支給されたものを持っているのは17校(9.6%=独自マニュアルとの重複含む)。持っていないと答えたのはわずか1校(0.6%)にとどまった。

文部科学省では東日本大震災の翌春には「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」を提示して事前・発生時・事後の3段階で、自然災害発生時等の対応を整理。

各校でのマニュアルの作成支援を行っているほか、教育委員会、各地域の私立学校協会等でもそれぞれ支援活動を行っているが、各校の防災意識の高さを示していると言えるだろう。

Q4 マニュアルで想定している事態に◯を付けてください。
a.火災/b.地震/c.津波/d.河川氾濫等の水害/e.地崩れなど土砂災害/f.火山の噴火/g.停電・断水等インフラの停止/h.交通機関の麻痺/i.災害等による帰宅困難者の発生/j.災害等による生徒の安否確認/k.災害時に中断した学校教育活動再開への流れ/l.その他

【Q4】マニュアルで想定している事態は?
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a.「火災」161校(91.0%)、b.「地震」174校(98.3%)は殆どの学校が災害として想定している。

一方、c.「津波」36校(20.3%)、d.「水害」55校(31.1%)、e.「土砂災害」38校(21.5%)、f.「火山」16校(9.0%)などは当該災害が予想されるかどうかという地理的な特性も考慮されるため、各校で事情が異なるだろう。g.「水・電気などのインフラ停止」42校(23.7%)、h.「交通機関麻痺」77校(43.5%)も各校の地域的な特性が大きく関係してくる。

i.「帰宅困難者」105校(59.3%)、j.「生徒の安否確認」104校(58.8%)は過半数の学校が対策を考える重要課題と言える。k.「学校の再開」は50校(28.2%)と比較的少ないが、まずは生徒、教職員の安全確保であり、状況によって次の段階への対策を考えることになると思われる。

l.「その他」で想定されている事態としては、不審者侵入、台風、竜巻・突風、落雷、大雪、Jアラート、原子力災害、避難所となった場合の対応、光化学スモッグ、弾道ミサイル発射、爆破予告等が挙げられている。

Q5 上記の災害に対してマニュアルでは
発生時別に対処されていますか?
a.在校時/b.登下校時/c.休日等在校時

【Q5】災害に対してマニュアルでは発生時別に対処されていますか?
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ここでは災害発生時に生徒たちがどのような状況下にあることを想定し、その対応をマニュアル化しているかを聞いている。

a.「在校時」は通常の授業や学校行事で在校している状況を指しており、この場合を想定している学校は171校(96.6%)と、ほぼ全校がこれを想定したマニュアルとなっている。

b.「登下校時」は学校に向かう途中または学校から帰宅する途中の状態で、これを想定したマニュアルは115校(65.0%)となっており、約3分の2の学校がこの状況も想定している。

一方、生徒が部活などで休日等に在校している場合は69校(39.0%)と大幅に少なくなる。この場合は在校する教職員も平時より少なく、一次的な防災責任者が不在である状況も考えられる。

《Part.4「アンケート集計結果 その2」につづく》

「アンケート調査報告(2)【Q6~Q9】」はこちら

「アンケート調査報告(3)【Q10~Q15】」はこちら

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